2016年6月 月間売上ランキング

f:id:keibunshabanbio:20160719033719j:plain

1    天才(石原慎太郎/ダイヤモンド社)

2  京都の凸凹を歩く(梅林秀行/青幻舎)

3  特捜本部(堂場瞬一/中公文庫)

4  パンダ銭湯(tuperatupera/絵本館)

5  希望荘(宮部みゆき/小学館)

6  鎌倉時代のサバイバル(イセケヌ/朝日新聞出版)

7  翻訳できない世界のことば(エラ・フラ/創元社)

8  熊楠の星の時間(中沢新一/講談社)

9  映画を撮りながら考えたこと(是枝裕和/ミシマ社)

10 もう親を捨てるしかない(島田裕巳/幻冬舎新書)

 

(集計期間 2016/6/1-6/30)

 

 当店6月の売上ランキングは、以上のような結果となりました。今月はバラエティに富んだなかなか興味深い結果となりました。

 

 1位は『天才』。

石原慎太郎さんが「田中角栄」の人生を一人称で書いた「田中角栄」の魅力溢れる1冊。なんと1月下旬に発売されてから、当店では毎月ランクインしているロングセラー作品となりました。参議院選挙が近かったこともこの結果に繋がった一因かもしれません。

f:id:keibunshabanbio:20160719033807j:plain

 

 文芸からは3位に堂島晙一さんの『特捜本部』、5位に宮部みゆきさんの『希望荘』がランクイン。夏にむけてミステリーやサスペンスを手に取るお客様が増えてきているようです。

f:id:keibunshabanbio:20160719033835j:plain

 

 4位は『パンダ銭湯』。

 「実はパンダ専用の銭湯があった!?あなたの知らないまさかのパンダの世界がここに!」・・・tuperatuperaさんの大人気の絵本『パンダ銭湯』がなぜかこの時期に突然ランクイン。暑くなってきたからでしょうか?「トットテレビ」のパンダの影響でしょうか?理由はわかりませんが、みなさんぜひご覧ください。衝撃的です。パンダが脱ぎます。服を。サングラスを。大人も子どももププっとハマる、暑い夏にぴったりの絵本です。

f:id:keibunshabanbio:20160719034014j:plain

f:id:keibunshabanbio:20160719034028j:plain

 

 7位は『翻訳できない世界のことば』。

 外国語のなかには、他の言語に訳すときに一言では言い表せないような各国固有の言葉が存在します。この「翻訳できない言葉」を世界中から集め、著者の感性豊かな解説と瀟洒なイラストを添えた世界一ユニークな単語集です。たとえば日本語であれば「ボケっと」「積ん読」「木漏れ日」「わびさび」などが掲載されています。日本人にとっては当たり前の言葉ですが、著者のみずみずしい感性によって、それらの言葉の内包する意味の広がりやドラマ性に焦点が当てられています。言葉の背景にある文化や歴史、そしてコミュニケーションの機微を楽しみながら探究できる1冊です。

f:id:keibunshabanbio:20160719033912j:plain

f:id:keibunshabanbio:20160719033953j:plain

 

 8位は『熊楠の星の時間』。

今年、南方熊楠賞を受賞した中沢新一さんによる新熊楠論。「星の時間」とは小説家ツヴァイクが名付けた「思考が真の天才の火花を散らし、人生が星の輝きに包まれる」時間のこと。那智の森に籠もり、生きているでも死んでいるでもない粘菌(きのこ)の研究から世界をみつめた熊楠。内容は難解なところもありますが、講演録ということもあり、手に取りやすい講談社選書メチエのシリーズからの1冊です。

f:id:keibunshabanbio:20160719033855j:plain

 

 9位は『映画を撮りながら考えたこと』。

映画監督、ドキュメンタリー演出家の是枝裕和さんが自ら全作品を振り返った決定版。構想8年というだけあって、400ページ超、ハードカバーの本なのですが、意外と持った感じが重たくないのが不思議です。まっすぐ突き進む是枝監督の魅力と、フィクションとノンフィクションの間のような作品の秘密がギュギュッと詰まっています。
ミシマ社のウェブでインタビューも公開中です( ↓ )。

http://www.mishimaga.com/special01/112.html

f:id:keibunshabanbio:20160719033903j:plain

 

 以上、6月のランキングでした。梅雨も空け本格的な夏の暑さがやってくる7月。子どもたちはお待ちかねの夏休みに突入です。暑い夏、どんな作品がランクインしているのでしょうか?次回のランキングもどうぞお楽しみに!!

 

(濱田/津村)