【絵本の棚より】「夏の絵本」「夏休みの本」のフェア開催中です

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f:id:keibunshabanbio:20160716105733j:plain太陽が眩しい夏の日々。皆様いかがお過ごしでしょうか? 

本日から3連休。子どもたちはもうすぐ夏休み。たくさん遊んでたくさんお出かけして、夏はワクワクすることが多い季節ですね。楽しいことに気持ちが向いてテンションがあがり、心もなんとなく晴れやかな今日この頃です。

 夏と言えばみなさんは何を想像しますか?「海」「ふね」「すいか」「冒険」「おばけ」「昆虫」、そして「夏休みの宿題」・・・などなど。当店の児童書コーナーも夏仕様に大変身。親子で夏を楽しむ絵本を集めています。カラッと明るく楽しい爽やかな物語が多い夏の絵本。以下、ほんの一部ですがご紹介させていただきます。

 

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『なつのいちにち』
(はたこうしろう 作・絵/偕成社)
夢中で遊ぶ子どもの夏の1日を、臨場感たっぷりに描いた絵本です。暑い暑い夏の日、クワガタムシのいる山をめざしてぼくは走ります。真っ白な日ざし、青い草のにおい、響き渡る蝉の声、麦わら帽子をかぶって走る少年...。おはなしはシンプルですが、ページの構図や絵の雰囲気、少ない文章がその世界観を効果的に表しており、ページをめくるごとに夏の空気が溢れ出し、夏の世界を全身で感じられる絵本です。子どもはこれからくる夏の日々にワクワクし、大人は記憶の中の夏にどこかノスタルジックな気分になる、親子一緒にじっくり読める1冊です。
 
 

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『トマトさん』
(田中清代 作・絵/福音館書店)
夏の野菜といえばトマト。図体の大きい真っ赤に熟れた「トマトさん」のお話です。ある暑い夏の日。トマトさんは川に泳ぎに行きたくなります。ミニトマト達がぽっちゃんぽっちゃん気持ち良さそうに飛び込んでいく音が聞こえるのです。しかし、体の重いトマトさんは動けません。じりじりと地面から伝わる暑さが身に応えます。すると、畑の虫達があちらこちらから出てきてトマトさんの為に……。水の中に入った時のトマトさんがとても気持良さそうで、こちらまで水にじゃっぽーんと飛び込みたくなる爽快な絵本。表紙の憂いをおびたトマトさんのインパク大の顔からもお察しの通り、ページをめくる度に表情豊かなトマトさんにくぎ付けになること間違いなしです。暑い夏にみんなで楽しめる絵本です。

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『ジャック船長とちびっこかいぞく』
(ピーター・ベントリー 作/ヘレン・オクセンバリー 絵/山下明生 訳/BL出版)
6月に発売されたばかり絵本です。この絵本、男の子はきっと大好きだと思います。ジャックとザックとカスパーは、ゆうかんなちびっこかいぞく。すなでつくったかいぞく船にシャツのセイルと、よだれかけのはたをかかげて、さあしゅっぱつ!元気いっぱいの男の子たちが、想像の海にのりだします。とどまることを知らないごっこ遊びの想像の世界。パパ&ママ海賊につかまってしまうというラストもくすっと笑えて、子どもはきっと夢中に、大人は優しい笑顔になる1冊です。オクセンバリーの美しくあたたかみのある絵も親しみがわきます。
 
 

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『めっきらもっきらどおんどん』
(長谷川摂子 作/降矢なな 絵/福音館書店) 
個性的で愛らしいおばけがでてくる夏の冒険のおはなしです。遊ぶ友だちを求めてお社にやってきたかんた。しかし誰もおらず、しゃくなので大声でめちゃくちゃの歌を歌います。すると穴から大声が聞こえ、覗き込んだそかんたはその穴に吸い込まれてしまいます。そこにいたのはおばけの3人組。かんたはおばけたちと遊びますが、遊びつかれておばけたちが眠ってしまうと、かんたは心細くなって思わず「お・か・あ・・・」と叫びます。その途端、かんたは光の渦に吸い込まれて・・・。リズムのよいシンプルな文と、スピード感のある展開が魅力的な絵本。不思議の世界を満喫して、ちょっとさびしくなり、お母さんのことを思い出したところで現実の世界に戻ってくるという、ファンタジーの王道のような絵本です。夏の冒険心をくすぐる親子で読みたい名作です。
 
 

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『おばけなんてないさ』
(せなけいこ 作/中川 千代子 絵/ポプラ社)
夏といえばおばけ。おばけといえばせなけいこさん。みんな大好きな『おばけなんてないさ』の歌が絵本になった1冊です。文がほぼ「おばけなんてないさ」の歌詞になっており、おなじみのせなさんのユーモア溢れる切り絵のおばけたちが、生き生きと歌って踊ります。小さい子も大きい子も、子どもたちみんなが喜ぶ、みんなで大合唱して楽しめる絵本です。
 
 

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『ベンジーのふねのたび』
(マーガレット・ブロイ・グレアム 作・絵/わたなべしげお 訳/福音館書店)
『どろんこハリー』の作者による、愛らしい犬のベンジーの冒険のおはなしです。ベンジーは耳が長くてしっぽの短い、茶色の犬です。毎年夏の家族旅行を楽しみにしていましたが、今年の夏の船旅には連れていってもらえません。動物は船に乗れないのです。みんながでかけたあと、しょぼくれていたベンジーでしたが、港でうちの人たちが乗ったのとそっくりの船を見かけて、急いで乗り込みます。けれども、それは家族とは別の船。思わぬことからベンジーの船の旅がはじまります。ベンジーと一緒に「ドキドキ」「ワクワク」最後は「ほっ」と、自分も冒険をしている気分になれる1冊です。読んだ後はきっと冒険の旅にでたくなるはず。
 
 

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『はじめてのキャンプ』
(林明子 作・絵/福音館書店)
大きな子どもたちにまじって、はじめてキャンプの一晩をすごす小さな女の子の物語。なほちゃんは、大きい子たちにまざって、ひとりでキャンプに行きたいといいました。みんなは口ぐちに「小さい子にはできないよ!」といいます。なほちゃんは大きい子たちに負けまいと、重い荷物もひとりで背負い、まきを集め、懸命にがんばります。おいしいごはんを食べて、一日が楽しく過ぎていきます。夜、テントでこわいお話をききますが、なほちゃんはひとりでおしっこに行くことができました。「ちゃんと キャンプできたよ!」。気持ちのたかぶりや不安、そして勇気などが、ユーモラスに、表情豊かに描かれています。絵本から幼年童話への入り口にもピッタリ。林明子さんの描くシンプルながらも印象的な色づかい、夜の表現等にも注目です。夏になると必ず読みたくなる、個人的にも大好きな1冊です。 

 

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『なみ』
(スージー・リー 作・絵/講談社)
 小さな女の子と波との追いかけっこを、青・白・黒の絵だけで描いた文字のない絵本です。寄せてははかえす波と夢中で遊ぶ女の子の様子が、実に生き生きと描かれており、文字がなくても物語が手に取るように伝わってきます。波の音が聞こえてきそうなほどの臨場感。まさに絵を読む絵本。何度も繰り返し読みたくなる、五感で夏を感じられる爽やかな1冊です。
 
 
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いかがでしたでしょうか?
お子さんとゆっくりじっくりたくさんの夏絵本を楽しんでいただければと思います。
 
 
 そしてまた、子どもにとっての夏といえば「自由研究」「工作」の季節。こちらのテーブルには夏休みの宿題のヒントになりそうな絵本や本、図鑑等を集めました。星や宇宙、科学など、王道の自由研究のネタはもちろん、変わったおもしろ工作や切り絵、ペーパークラフト、実験の本なども勢揃い。困ったときの自由研究キッドなんてのもあります。何にしようか今から考えてとことん楽しんでみるのもよさそう。お父さんお母さんと一緒にする研究&工作は夏のいい思い出になりそうです。自分だけのおもしろいもの見つけてみてください。

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そしてもうひとつ。夏休みの宿題で忘れちゃ行けないのが「読書感想文」。恒例の「課題図書」も多数入荷しています。毎年、人気の作品は早々に売り切れてしまう課題図書。既に品薄の本も出てきました。品切れになると後から入手するのは難しくなりますので、お早めにご検討いただくことをお勧めします!「おはなしを絵にするコンクール」の本もご用意していますので、こちらもどうぞ。

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見ているだけでワクワクしてくる夏の絵本、夏休みの絵本。絵本を置くテーブルが足りなくなるくらい盛り沢山な内容です。ぜひお手にとってゆっくりご覧いただき、お気に入りの1冊をみつけてください。 
お待ちしております!!
 
 
(津村)
 

『天使園』原画展のご案内

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7月4日(月)から7月24日(日)まで
函館のトラピスチヌ修道院の暮らしを描いたスケッチ集『天使園  「祈り、働け」の日々』の原画展を開催しています。

50年ほど前に、ひとりの修道女によって描かれ、丁寧に色鉛筆で色付けされたスケッチです。ぜひ原画でご覧ください。

外に出ることの許されない修道院の生活ですが、描かれている労働の様子はとても牧歌的で楽しげです。北海道の広大な景色の中で牛を連れて散歩に出かけたり、畑仕事に勤しんだり、みんなでトラクターに乗り込んだり、木に登って大根を干したり(!?)同じ服装の小さな人たちは、かわいくて、まるで絵本『マドレーヌ』のよう。 

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 緻密に描かれた建物の美しさにも目を惹かれます。

原画の中にはプリントされたものやトレーシングペーパーに描かれたものもあります。スケッチを描いた修道女が人に贈るために、コピーをして冊子を作ったり、手で書き写したりしたものだそうです。


装丁は北海道出身のアートディレクター葛西薫さんの手によるもの。シンプルでありながらあたたかみのある素敵な本です。

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 原画展に合わせて函館から修道院のお菓子マダレナとクッキー、草木染めのハンカチやラブリーな天使人形なんかも送っていただいて販売しています。ルバーブのジャムは売り切れですが、ハスカップのジャムがもうすぐ届きます。数に限りがあるので、ご希望の方はお早めにご来店ください。

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 『天使園  「祈り、働け」の日々』原画展
恵文社バンビオ店にて
2016.7.4 - 7.24

【絵本の棚より】春の絵本

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寒い日の中にあたたかい日が少しずつ混ざるようになってきました。2月もあと少しで終わり、もうすぐ3月です。春がきますね。

 
先日、絵本コーナーを模様替えしました。
「春」をテーマに新しく3つのコーナーが完成しました。
 
 
① あたらしい毎日 

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春ははじまりの季節。新しく幼稚園や保育園、学校に通いはじめたり、住むところやクラスが変わって新しいお友だちができたり...。期待や希望、そして少しの不安が入りまじった、ざわざわした気持ちでこの時期を過ごしているお子さまも多いかもしれませんね。こちらのコーナーには「ようちえん・ほいくえん・がっこう」と「ともだち」をテーマに、新しい毎日が待ち遠しくなるような絵本を集めました。この時期だからこそ楽しめる絵本を、ぜひお子さまと味わってみてください。新しい毎日に寄り添う絵本がみつかりますように。
 
  
② ちしきのせかい 

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春になって新しい毎日がはじまると、世界が広がり、新しい興味や好奇心が芽生えてきます。こちらのコーナーには「とけい」「ことば」「かず」「いろ」「せかい」「ルール」など、知識の絵本を集めました。教えこんだり知識をつめこむのではなく、絵本を通して興味や好奇心の赴くまま、親子で一緒に知識の世界を楽しんでみませんか。

 
 ③ はるがきた! 

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春といえば...?「ピクニック」「さくら」「たんぽぽ」「ちょうちょ」「おひるね」「そとあそび」などなど。ワクワクすることがたくさん!とにかく春が待ち遠しくなる、ぽかぽかで、おいしくて、たのしくて、ちょっとねむい、そんな絵本たちを集めました。こちらのコーナーには、文房具やお弁当箱などのランチグッズ、幼稚園・保育園でも使えそうなトートバッグやハンドタオルなどのグッズもにぎやかに並んでいます。こちらも絵本と一緒にお楽しみ下さい。
 
 
春を感じる絵本、ぜひお手にとってご覧くださいね。
それでは、ご来店お待ちしております。
 
 
 
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以下、上記コーナーからピックアップした絵本をいくつかご紹介します。
 
『いってらっしゃーい いってきまーす』 神沢利子 作/ 林明子 絵 福音館書店 
「いってきます」から「ただいま」までの保育園に通う子どもの日常が、園児のなおちゃんの目線で描かれています。送るのはお父さんで、いつもの道を通って、たばこ屋のおばあちゃんに挨拶して、保育園へ。保育園では、おままごとをしたり、みんなで町にいったり、ごはんを食べたり、お昼寝をしたり。時間になったら、お母さんが迎えにきて、お買物をして、いつもの道を通って、たばこ屋のおばあちゃんに挨拶して、お家に帰る。描かれているのは園児なおちゃんの普通の1日ですが、「保育園ってこんなことするのかあ」「楽しそうだなあ」と待ち遠しく思えてくるかもしれません。新園児さんにぴったりの1冊です。
 
『とんことり』 筒井頼子 作/ 林明子 絵 福音館書店 
知らない街に引っ越してきたかなえ。荷物の整理を手伝っていると玄関の方で「とん ことり」とちいさな音がします。見に行ってみると、郵便受けの下にすみれの花束が。次の日は音とともにたんぽぽが3本、その次の日は音とともに手紙が。そしてまた次の日、音が聞こえると、かなえは勇気を出して玄関を飛び出します。知らない土地でこれから過ごす不安や心細さ、新しい友達をつくる時の緊張感など、かなえの繊細な心の動きを一緒に感じてドキドキしますが、最後のページの明るい笑顔にホッ。新しいお友だちとの出会いが楽しみになりそう。
 
『ぼく、だんごむし』 得田之久 文/たかはしきよし 絵 福音館書店
動物や虫も動き出す春。子どもたちも大好きだけど、意外とくわしくは知らない身近な虫「だんごむし」について、だんごむしの視点で描かれ語りかけてくるたのしいかがく絵本です。だんごむしについて、おもしろく、そしてわかりやすく紹介しており、大人も子どもも一緒に楽しめます。また、貼り絵で作られているので絵にあたたかみがあり、虫が苦手な方でも比較的手に取りやすいのでは!?大人も「へえー」と関心しっぱなしで、だんご虫のいる自然の世界にぐいぐい引き込まれる絵本です。
 
『わたしとあそんで』 マリー・ホール・エッツ 福音館書店

野原にとびだした女の子と動物との交流を描いた絵本。女の子が原っぱで「バッタさん、あそびましょ」と捕まえようとしますが、バッタは逃げてしましいます。カエルも、カメも、リスも、みんな捕まえようとすると逃げてしまいます。しかたがないので腰掛けてじっとしていると、バッタが戻ってきます。さらに逃げていったはずの動物たちが次々と戻ってきます。最後にはシカの赤ちゃんがやってきて、女の子はとても喜びます。追いかけると逃げるけれど、じっとしてるとよってくる。女の子と動物とのそんなやりとりを通して、自然の世界を描いた1冊。ぽかぽかとあたたかい春の陽気が伝わってくるような、優しく柔らかな絵と物語です。

 
『はなをくんくん』 ルース・クラウス文/マーク・シーモント絵 福音館書店
冬から春への季節の変化を、躍動感たっぷりに描いたこちらの絵本。
雪に埋もれた森の中で冬眠していた動物たちが目を覚ましました。鼻をくんくんさせながら、何かに向かって次々と走り出します。ワクワク!冬の景色に合わせて白黒でページが進みますが、最後のページでは春を告げる花がポッと黄色く咲き、まるで春をみつけた喜びを一緒に味わっているような気分になります。動物たちと一緒にワクワクした気持ちを味わえる、春を待つ今の時期にぴったりの1冊です。
 
『おべんとうだれとたべる?』 あずみ虫 作・絵 福音館書店
春といえばピクニック。わらべ歌のようなリズミカルな文章にのって、動物や人間たちがいろいろなお弁当を作ってお出かけします。みんなが作るお弁当は誰とどこで食べる? アルミ板を切り出したユニークな技法で作られた独特の雰囲気の絵に目が引きつけられる絵本です。色鮮やかなたくさんのお弁当に、思わずお弁当をもって外に飛び出したくなります。
 
 
 
いい出会いがありますように。
 
 
(津村)