【絵本の棚より】「冬のえほん」フェア開催中です。

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全国的に雪で冷え込んだ週末。京都もあたり一面真っ白になりました。街のあちこちで個性的な雪だるまをみかけました。たくさんの子どもたちが雪遊びを楽しんだようですね。

児童書売場では「冬のえほん」フェアを開催しています。冬、雪、マフラーに帽子に手袋、さらにお風呂など、この時期に楽しみたい絵本が大集合!冬の寒さや冷たい空気を感じるのはもちろんですが、それだけでなく、不思議とぬくもりも感じられる冬の絵本。温かい部屋でゆったりと楽しみたいものです。

 

以下「雪」をテーマにいくつかピックアップしてご紹介します。

 

 

『ゆき』ユリ・シュルヴィッツ 作絵/さくまゆみこ 訳(あすなろ書房)
どんより灰色に染まった街の灰色の空から雪がひとひら舞い降ります。男の子は喜びますが大人達は冷めた様子。ひとひらひとひら舞い降りる雪がだんだんと降り積もり、灰色だった街を白銀の世界に変えていきます。雪が降るのが嬉しくてたまらない男の子の姿を通して、誰もが感じる雪の日の何ともいえないワクワクした気持ちと、雪の日の空気感や気配をそのまま閉じ込めたような絵本。『よあけ』で有名なシュルヴィッツの絵本です。雪の日の美しさと高揚感を存分に味わえます。

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『はたらきもののじょせつしゃけいてぃー』バージニア・リー・バートン 作絵/石井桃子 訳(福音館書店)
けいてぃーはキャタピラのついた赤いトラクター。除雪機をつけると雪をかきのけることができますが、雪の少ない時期はじっと待っていなければいけません。ある日大雪がふり、ほかの雪かきトラックは動けなくなりました。学校も店も病院も消防署も電話局も雪で覆われてしまい、街は真っ白に。さあ、けいてぃーの出番です!けいてぃーの颯爽とした活躍ぶりに興奮。街が雪で真っ白に覆われてしまった次の瞬間、真っ白のページに登場する真っ赤なけいてぃーのには思わず感動します。細部まで書き込まれた絵も楽しく見応えたっぷりです。『ちいさいおうち』などでおなじみのバートンの絵本です。

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『ゆきのひ』エズラ・ジャック・キーツ 作絵/木島始 訳(偕成社)
朝、ピーターが目をさますと窓の外は雪景色。ピーターは赤いマントをきて外へ飛びだし、雪おとしや雪だるまなどの雪遊びを楽しみます。雪が降った朝、景色が真っ白になっているのを見た時のドキドキする胸の高鳴りや雪の中へ足を踏み入れていく時のワクワクする嬉しい気持ちが伝わってくる絵本。絵は作者のキーツならではの美しい貼り絵が使われています。真っ白の雪景色とピーターの真っ赤なマント。色づかいも印象的な絵本です。

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『ゆきがやんだら』酒井駒子 作絵(学研)
今日は朝から雪が降り続き保育園はお休み。帰ってくる予定だったお父さんの飛行機もとまってしまい、ぼくとお母さんの二人きり。外はすっかり雪に覆われて一面真っ白の雪景色。いつもとは違う別世界の特別な時間が過ぎていきます。しんしんと雪が降り積もる静かな1日が親子の姿を通じて描かれています。お母さんとぼくのやりとりに心が温かくなる絵本です。優しくて少し切ない雰囲気の酒井駒子さんの絵に引き込まれます。

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『ゆきのうえゆきのした』ケイト・メスナー作/クリストファー・サイラス・ニール 絵/小梨直 訳(福音館書店)
雪の上でスキーを楽しむお父さんと女の子。「雪の上は静まりかえってまっ白だけど、雪の下にはまったく別の秘密の世界があって、いろんな生き物たちがくらしている」。お父さんは女の子に雪の下のことを教えます。地面の上と地面の下を対比させながら美しい絵とともに場面が進みます。雪の上で静かに冬を過ごしている動物もいれば、雪の下で春を待つ小動物たちもいる。普段、目がいきがちな雪の上のことだけでなく、雪の下のことも対比しながら教えてくれる絵本です。

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『ゆき』きくちちき 作絵(ほるぷ出版)
しろくて、きれいで、つめたいゆき。生き物にとって、ときに命をはぐくむ助けとなり、ときに命をうばう雪。作者のきくちちきさんが生まれ育った北海道の大地を舞台に、晩秋の森に雪が降り始め、やがて一面の雪に閉ざされるまでを、ダイナミックに描いた絵本です。きれいだけれどもおそろしく、ダイナミックだけれども繊細で柔らかい、そんな雪の多様な表情をページ全体から感じることができます。動物の温度や子どもたちの温度、不思議と雪の温かさまで感じることができる絵本です。

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この他にもたくさんの冬の絵本をご用意しております。寒い日に恋しいお風呂の絵本も多数(手ぬぐいもあります!)。ぜひお手に取ってご覧いただき、お気に入りの1冊を見つけてくださいね。

 

ご来店お待ちしております。

 

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(津村)

さいとうしのぶさんの絵本『おみせやさんでくださいな!』原画展がはじまりました

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さいとうしのぶさんの絵本『おみせやさんでくださいな!』の原画展をがはじまりました。

 

『あっちゃんあがつく』や『しりとりしましょ!』などでおなじみの絵本作家さいとうしのぶさん。

当店でも人気のこの「ことばあそびシリーズ」絵本ですが、第3弾となる新作『おみせやさんでくださいな!』が今年の4月に発売となりました。

第1弾の『あっちゃんあがつく』は「たべものあいうえお」、第2弾の『しりとりしましょ!』は「たべものしりとり」がテーマでしたが、今回の『おみせやさんでくださいな!』は子どもたちが大好きなあそび「おみせやさんごっこ」がテーマとなっています。

 

動物たちが住む「ふれあい商店街」には37のお店があります。

パンやさん、おもちゃやさん、やおやさん、だがしやさん、ほんやさんなどなど。

おとうふやさんも、くすりやさんも、レストランもあります。

楽しくてワクワクするおみせやさんがたくさん登場します。

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「次は何やさん?」

「どれにしようかな?」

「何を買おうかな?」

細部まで書き込まれた魅力いっぱいのお店、商品、動物の店員さん、お客さん。

お店やさんって、商店街って、お買い物って...楽しい!

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さらに今回は、探し絵あそびの要素がちりばめられているのをご存知でしょうか?

お店やさんごっこだけでなく、何重にも楽しめるしかけがあちらこちらに。

店の入口に描かれたキャラクターが店内のどこかに隠れていたり、さらにこのキャラクターたちには共通点があったり。 

また、それぞれの店内にあるどんぐりと招待状を探しながらページをめくるのもまた楽しく、ラストのサプライズに驚きながらもいろいろ納得すること間違いなしです。

何度も登場するユニークなお客さん達にも注目。お花屋さんで花を買った馬が、別のページではお花をプレゼントしていたり。時計やさんに並んでいる時計が実は各店舗に置いてあるものだったり。

ページごとに楽しめる要素がたくさんつまっています。

 

構想10年、制作5年。

最初の企画の際に3歳だったさいとうさんの息子さんはもう13歳だそうです。

私がはじめてさいとうさんの絵本に出会ったのも10年以上前。本好きの叔母から贈られていつも何となく本棚に入っていた『しりとりしましょ!』が、今や3歳の息子の愛読書。『あっちゃんあがつく』と並んで大好きな絵本で、読みすぎてその文章を母子ともに暗記するほどになりました。

 

とことん楽しめる絵本を作るために、お店のラインナップから店構え、商品、陳列方法、キャラクター設定、お店の順番など、考え抜かれて細部まで丁寧に作り込まれた絵本『おみせやさんでくださいな!』。

その原画が見られる貴重な機会です。

楽しくゆかいな動物たちの商店街の様子を、ぜひお子さまと一緒に原画でお楽しみください。 

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 そして、そんな『おみせやさんでくださいな!』をさらに楽しむイベントをご用意しました。

なんと、さいとうしのぶさんが当店でおはなし会をしてくださることになりました!

通常の30分を1時間に拡大して

『おみせやさんでくださいな!』スペシャルおはなし会

を開催します。

おはなしあり、歌あり、ことばあそびあり、パネルあそびありの、たっぷり楽しめる盛りだくさんの1時間です。

終了後にはサイン会も予定しています。

詳細は下記もしくは当店掲示ポスターにてご確認ください。

みなさまお誘い合わせの上、ぜひあそびにきてくださいね。

ご参加お待ちしております!

 

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■絵本『おみせやさんでくださいな!』原画展

会期 :2016年11月3日(木)~11月27日(日)
場所 :恵文社バンビオ店


■さいとうしのぶさんと!スペシャルおはなし会&サイン会

日時 :2016年11月13日(日)

    14時〜 おはなし会 (参加自由)

    15時頃〜 サイン会(当日15時に並んでいただいた順に整理券を配布します)

場所 :恵文社バンビオ店

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(津村)

「母の友」フェア 開催中です。

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福音館書店の月刊誌「母の友」フェアがスタートしました。

 

「母の友」は、

幼い子どもをもつお母さんやお父さんや、

子どもにかかわるすべての人へ向けた、

1953年の創刊以来60年以上続く、福音館書店の月刊誌です。

 

創刊時は戦後の復興の真っ只中。

生きることに一生懸命だった時代です。

価値観が大きく変動する中で、何をめざして子どもを育てればいいのか。

「母の友」は、混乱する母親たちに、

身近で具体的な子育てのヒントを提供する雑誌として生まれました。 

どの時代にも共通する子育ての喜び、

またその時代ならではの悩みが丁寧に取り上げられており、

読んでいて確かな手応えがあります。

私も毎度お世話になっています!)

 

 

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こちらは表紙の一覧です。

創刊号の表紙は、輪になって遊ぶ子どもたちの「写真」でした。

第12号からは画家の方々が表紙を描くようになり、

現在の100%ORANGEさんで26人目。

初めは毎号違う描き手でしたが、

16号からはひとりの画家の方が年間を通して描いています。

表紙の絵の雰囲気だけでもその時代が見えてくるような気がしませんか?

ちなみに最長記録は安野光雅さんの9年間だそうです!

 

 

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こちらが9月初旬に発売された最新号です。

特集は「こどもが風邪をひいたら」。

お母さん小児科医の森戸やすみさんに聞く

風邪をひいた場合の対処方法や、

小児科医院に併設する形で病児保育施設を運営している、

小児科医の保坂篤人さんに聞く、病児保育の仕組みや考え方について、

また、外国では子どもが風邪をひいた場合はどうしているのかなど、

特にこれからの季節にぜひとも知っておきたいテーマが組まれています。

「病児保育ってこんなところなのか!」

「外国と日本で風邪の捉え方はこんなにも違うのか!」など、

視野が広くなり、知識が深まります。

 

他にも『やこうれっしゃ』の西村繁男さんの絵本への思いや、

吉本ばななさんの母エッセイ、

ある幼稚園の一コマを綴った園だより、

ほっこり和む子育てまんがエッセイ、

読者のお母さま方からの体験談など、

大充実の1冊です。

 

 

また、「母の友」からは多くの本も誕生しています。

創刊時に「こどもに聞かせる一日一話」という

お話のページをメインにすえていた「母の友」は、

のちに月刊物語絵本「こどものとも」を生み出し、

さらに『ぐりとぐら』『ばばばあちゃん』『いやいやえん』『魔女の宅急便』など、

今でも読み継がれる多くの名作を生み出しました。

そして「母の友」に掲載された連載や特集からも、

多くの子育ての本が生まれました。

それがこちらです。

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優しくも読むと親として背筋がシャンとする本ばかりです。

 

 

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ははがうまれる』(宮地尚子)もそんな1冊。

お母さんの存在をまっすぐに受け止めてくれる本です。

10月中旬には、横浜にある小さな幼稚園「りんごの木」代表で、

絵本『けんかのきもち』の著者としても知られる柴田愛子さんの

過去の連載が1冊にまとまった新しい本も発売されます。

これも楽しみですね。

 

 

子育ての知恵がつまった「母の友」。

5年前の2012年から現在までの

選りすぐりのバックナンバーをご用意しました。

過去1年間に関しては全てのバックナンバーがそろっています。

古いものは在庫限りとなります。

 

様々なテーマで綴られる子育ての話が

自分の子育てのヒントになったり、

異なる考え方や新たな発見で視野が広がったり、

同じ思いを持つおかあさんの言葉に共感したりと、

読んでいると自分の子育てを優しく励まされ、

子育てへの活力が湧いてくるようです。

まさに「母」の「友」。

 

あなたの子育ての友となる1冊を探してみませんか?

広告のない雑誌なので価格がお手頃なのも嬉しいところです。

ぜひお手に取ってごゆっくりお楽しみください。

 

 

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■「母の友」フェア

日程:2016年9月21日(水)〜10月中旬頃

場所:恵文社バンビオ店

 

 

(津村)