摘み草を食べよう!
春のピクニックフェアのとなりで摘み草料理の本を並べております。
道端に生えてる草や花、普段はひとまとめに〈雑草〉なんて呼んでたりするけれど、実は美味しく食べられるものがたっくさんあるんです。散歩のついでに食材探しはいかがでしょうか。
京都新聞で記者をされていた熊谷栄三郎さんの『道草いただきまーす』(京都新聞出版センター)は趣味の渓流釣りの傍ら、野外で作った摘み草料理の本。
楽しい語り口で、摘み草初心者から、山菜採りでは物足りなくなって来た上級者にもおすすめです。なにより楽しそうな熊谷さんの様子が素敵です。
なんだか調子が出ないなーという人には、かわしまようこさんの『草と暮らす:こころと体を調える雑草レシピ』(誠文堂新光社)を。草を摘みに外に出るというだけでも元気になれる気がします。
花を使ったかわいい料理からスギナを使ったクレイパックや、ハコベの歯磨き粉まで。
自家菜園の季節の素材から起こす酵母で作るパン屋、タロー屋の『春夏秋冬、季節の酵母が香るパン』(グラフィック社)は身近な材料で作る酵母の本。必要なのは植物の酵素に、ほんのちょっとの糖分だけ。近所に咲いてるキンモクセイの花なんかでも酵母ができるんです。
フツフツと発酵してくる様子を眺めるのはとても楽しい時間です。パンを焼くのは大変だけど、酵母を育てるだけなら気軽にできそう。
摘み草料理のことを教えてくれたのは熊本在住の料理研究家、細川亜衣さんです。修行に出掛けたイタリアで摘み草料理に感動したという彼女の本には素材の味を活かし、植物の生命力をまるごといただくレシピが満載。いわゆる摘み草を使った料理はあまり載っていませんが、一品ごとにエピソードが付いていて、その中には摘み草の話も数々。読みごたえのあるレシピ集です。
石牟礼道子さんの『食べごしらえおままごと』(中公文庫)は食にまつわる思い出が綴られたエッセイです。食べものをこしらえることが今ほど簡単ではなかった時代の、だからこそ大事に作られた料理を食べる喜びと、登場する人たちの方言のやわらかさに、自分がこどもだったころ母に教わって摘んできたヨモギで作ったおだんごのことなど思い出しました。
ほんの少し昔の人たちはこんな風に食べていたんだと、大切なことに気付かせてくれる一冊です。
地のもの、季節のものを食べたいというときには摘み草料理がぴったりです。
最後に摘み草をするときの注意点を、どんなにおいしいものでも全部採ってしまわないこと。他人の土地には入らない(もしくは許可を取る)こと。そして、中には毒があるものもあるので、不安なものは食べないこと。以上。
(濱田)
2018年3月ランキング
1 森のノート(酒井駒子/筑摩書房)
2 ラプラスの魔女(東野圭吾/角川文庫)
3 青くて痛くて脆い(住野よる/KADOKAWA)
4 秋霖やまず(佐伯泰英/光文社文庫)
5 漫画君たちはどう生きるか
(吉野源三郎 著・羽賀翔一 絵/マガジンハウス)
6 暮しの手帖のおべんとうのおかず196
(暮しの手帖編集部/暮らしの手帖社)
7 おらおらでひとりいぐも(若竹千佐子/河出書房新社)
8 オリジン 上(ダン・ブラウン/KADOKAWA)
9 おしりたんていあやうしたんていじむしょ(トロル/ポプラ社)
10 京都寺町三条のホームズ 9(望月麻衣/双葉文庫)
3月のランキングは以上のような結果となりました。(集計期間2018/3/1〜3/31)
1位は『森のノート』(酒井駒子/筑摩書房)。
当店で原画展を開催した酒井駒子さんの『森のノート』がトップに。みなさま、貴重な原画はご覧いただけましたでしょうか?(詳細はこちらから。)純粋で怖いくらい愛らしく、どこか不穏な空気が流れる酒井さんの絵を見ると、いつも心が高揚し、同時にざわつきます。静謐な絵と独特の世界感溢れる文章で織りなす酒井駒子さんの初めての画文集。ぜひページを開いてご覧ください。
尚、今週末4月15日(日)には一乗寺店でサイン会を開催予定です。一乗寺での原画展も15日までです。まだの方はぜひお見逃しなく!(サイン会には整理券が必要です。詳細はこちらから。)
6位は『暮しの手帖のおべんとうのおかず196』(暮しの手帖編集部/暮らしの手帖社)。
春休みが終わり、我が家でも幼稚園に通う息子のためのお弁当づくりがまた始まりました。マンネリしがちで大変という方も多いのではないでしょうか?こちらは、瀬尾幸子さん、脇雅世さん、松田美智子さんによるバラエティー豊富な196品が紹介されたお弁当レシピの本です。メインと付け合せの定番レシピや、つくりおきレシピ、カロリーオフのレシピがたくさん紹介されており、作る相手や冷蔵庫の中身によってレシピが選べるのが嬉しいところ。また、隙間をうめる簡単な付け合せレシピは忙しい朝に重宝します。レパートリーが広がるとともに、毎日のおべんとう作りが楽しくなりそうな一冊です。
7位は『おらおらでひとりいぐも』(若竹千佐子/河出書房新社)。
63歳、史上最年長で直木賞を受賞したこちらの作品がランクイン。「74歳、ひとり暮らしの桃子さん。おらの今は、こわいものなし」。捨てた故郷、疎遠になった息子と娘、そして亡き夫への愛。40年来住み慣れた都市近郊の新興住宅でひとり茶をすすり、ねずみの音に耳をすませるうちに、桃子さんの内から外から、声が湧きあがります。歳をとるのも悪くないと思えるような、新たな老いの境地を描いた作品です。
9位は『おしりたんていあやうしたんていじむしょ』(トロル/ポプラ社)。
さすが春休み。子ども達に大人気の推理よみもの「おしりたんてい」シリーズの最新刊第6弾がランクインしました。今回のおはなしでは、新しくできた探偵事務所の男とおしりたんてい、どちらが真の名探偵なのかを決める勝負が繰り広げられます。結果はまさかの…!全2話収録で、今回も迷路やクイズ、「おしり」さがしなど、たくさんの謎解きが詰まっています。
10位は『京都寺町三条のホームズ9』(望月麻衣/双葉文庫)。
2016年度「京都本大賞」受賞作の、望月麻衣さんの人気シリーズの最新刊がランクインしました。古都京都を舞台にしたライトミステリー。 骨董品鑑定と謎解き、そして恋の行方は...。
望月さんからなんとサイン本もいただきました!こちらは数量限定ですのでぜひお早めに。ちなみにアニメ化も決定。夏に放送予定です。
以上、3月のランキングでした。
新年度がはじまる4月。そして注目の本屋大賞も発表された4月(今年度の大賞は辻村深月さんの『かがみの孤城』でした!)。どんな作品がランクインしているのでしょうか?次回もお楽しみに。
(津村)
バンビオのお店便り 4月第1週
今年はもう春が来たと油断しておりましたら、またもや冷え込んでおります。皆さま体調崩されませんよう、お身体ご自愛くださいませ。
本日のバンビオの本棚より
岡本太郎さんの「太陽の塔」幻の地下が公開されたようで、太陽の塔や岡本太郎さんの本が、クローズアップされておりますね。
こんなかわいい本も入荷していますよ。
『トイ楽器の本』ディスクユニオン
かわいい“楽器”を103種、カラーで掲載されております。トイ楽器の音って、何となくノスタルジックな感じがして、お好きな方も多い筈。
続きまして
春ですね。積み草料理の本を集めております。お散歩がてら野草を摘んで、その日の晩ごはんに、旬のものをいただくのって、贅沢ですね。
続きまして
土偶の本が揃っております。そして土偶のとなりに阿修羅像という並びで
『仏像 みる・みられる』KADOKAWA
仏さまの前にすわりますと、みられている、見守られているという感覚になります。興福寺貫主の審美眼「みる・まみえる」にふれてみられては、いかがでしょうか。
さいごに
『樋口愉美子の刺繍時間』文化出版局
刺繍のモチーフが独特で、色使いも美しい樋口愉美子さんの新刊が発売されましたね。今回はハードカバーの大型本です。少し大人っぽくロマンチックな刺繍の世界。ぜひご覧いただきたい1冊です。
桜が今週の雨で散ってしまって残念ですが、新緑の美しい季節ももうまもなく。
道ばたの菫や蒲公英も元気に美しく咲いて、小さな春を子どもたちが見つけて、楽しめる季節がやってきました。
新学期もそろそろ。良いスタートを皆様お迎えされますように。
それでは、また。
星山