林明子さんの絵本『こんとあき』のエスキース展がはじまりました。
林明子さんの絵本『こんとあき』(福音館書店)のエスキース展がはじまりました。
「こんは、あきのおばあちゃんが作ったキツネのぬいぐるみです。あきが成長するにつれ、こんは古びて、腕がほころびてしましました。あきはこんを治してもらうため、こんと一緒におばあちゃんの家にでかけます。あきは、電車でこんとはぐれたり、犬に連れさられたこんを探したりと、何度も大変なめにあいます。こんとあきは無事におばあちゃんの家にたどりつくことができるのでしょうか?」
林明子さんの絵本の中でも人気が高く、長くたくさんの人に愛されている絵本『こんとあき』。今回はその貴重なエスキース(下絵)をお借りし、数点ごとにまとめて額装したものを展示しています。
繊細で温かく生き生きと描かれた鉛筆画からは、絵本が出来上がる前段階の試行錯誤の跡が見えます。それはまるで舞台のリハーサル風景をみているような緊張感。こんとあきに命が吹き込まれる瞬間です。真剣そのものの絵本制作の裏側をこっそり覗いているようなこの感覚は、下絵だからこそ味わえるとても贅沢なもの。作者の息遣いまでも感じられそうな近距離で制作過程を見ているようです。胸がいっぱい。ため息が漏れます。
エスキースと完成した絵本の違いをぜひ見比べてみてください。その違いに勝手な想像が膨らみます。
林明子さんの絵本もたくさん並べました。絵はがきや、僅かですがハンドタオルも。
ちなみに、この『こんとあき』の絵本にはたくさんのキャラクターが隠れていることはご存知でしょうか?チャップリン、不思議の国のアリス、タンタン、『はじめてのキャンプ』のなほちゃん、さむがりやのサンタ、『ピーターラビットのおはなし』のマグレガーさんなどなど。そんなお楽しみもあったなんて、林さんの遊び心が嬉しいですよね。ぜひ絵本を開いて探してみてくださいね。
現在、伊丹市立美術館では林明子さんの原画展を開催中です。今回はその時期にあわせてエスキースをお借りすることができました。貴重な『こんとあき』のエスキース、当店で見られるまたとない機会です。ぜひごゆっくりご鑑賞くださいませ。
ご来店お待ちしております。
―― 林明子『こんとあき』エスキース展 ――
◆会期:2017年11月6日(月)~11月27日(月)
◆場所:恵文社バンビオ店
◆作家紹介:
林明子(はやし あきこ)
絵本作家。1945年東京都生まれ。1976年にはじめての物語絵本『はじめてのおつかい』を手がける。代表作に『こんとあき』『おつきさまこんばんは』『はじめてのキャンプ』などがある。
(津村)
バンビオのお店便り 10月第4週目
ようやく雨と台風が過ぎ去り、秋晴れの空を楽しめるようになりました。が、今週末もまた台風が近づいてくるとか。運動会や遠足、七五三など、イベントも多いこの時期の雨は困りものです。週末はわが子と一緒にてるてるぼうずを作ってお願いしようと計画中です。
久しぶりの「バンビオ店のお店便り」のブログになってしまいましたが、その間にもおもしろそうな本が届いておりますのでいくつかご紹介します。
『京都で考えた』(吉田篤弘/ミシマ社)
小説を執筆するかたわら、クラフト・エヴィング商會名義による著作とデザインの仕事も行っている東京在住の吉田篤弘さん。これまでの小説にも京都の街で考えたことがあちこちにちりばめられているといいます。今回はそんな創作の原点でもある京都で考えたことをありのままにエッセイという形で綴っています。秋のいいお天気の中、ベンチにでも座って街を眺めながら、ゆっくり味わいたいです。残り僅かですがサイン本あります。
『文様えほん』(谷山彩子/あすなろ書房)
先日テレビで「紋」が紹介されていました。円と線をたくみに組み合わせてかたちをつくる伝統的なその描き方に目が奪われました。
こちらは古今東西300種の文様が紹介されている絵本です。よく見かける着物の柄から、家紋や世界の文様、その歴史や読み解き方まで、かわいらしい絵で教えてくれる文様の入門絵本です。日本の伝統や文化の奥深さ、素晴らしさを感じるとともに、知的好奇心が刺激されます。
『親馬鹿小馬鹿』(和田誠・和田晶/復刊ドットコム)
TRICERATOPSヴォーカル&ギターの和田唱さんが子どもの頃に描いた絵に、イラストレーターでもある父・和田誠さんが解説をつけるという、不思議な形でページが進む親子作品集です。新たに親子対談を収録し、30年以上の時を経て復刊されました。子どもの絵って自由で個性があってとてもおもしろいですよね。父親・和田誠さんの子どもへのまなざし、アートへの向き合い方をも知ることができます。 先日、平野レミさんのエッセイも読みました。和田家はなんてユニークなんでしょう。こんな家庭が憧れです。
『ターシャ・テューダのファミリー・レシピ』(ターシャ・テューダ/主婦と生活社)
ターシャが書き記していた料理レシピから、基本となる料理をお孫さんのウィンズロー氏がセレクトし一冊にまとめた本です。ターシャの愛情をたっぷり受けて育ち、ターシャから料理の手ほどきを受けて料理上手に成長した彼が、料理も文も写真も手がけています。その多くがシンプルで簡単なものですが、とにかくとてもおいしそうなんです。子育てや絵本作家としての仕事、農作業、ガーデンづくりなど、毎日忙しいターシャならではのシンプルレシピは、忙しいお母さんにおすすめのものばかりです。
『京都、朝あるき』(ことり会/扶桑社)
慌ただしい日々。少し早起きして充実した朝の時間を愉しみたいと思ったことはありませんか?こちらの本がそれを叶えてくれるかもしれません。京菓子店による和菓子作り体験教室や、大覚寺の写仏、大原の朝市、両足院の座禅体験など、早朝から午前10時ごろまでに楽しめる京都のスポットを四季別に紹介してくれます。出勤前や早朝の、いつもと違った静かな朝の京都を自由にたのしめたら...。毎日が少し豊かになりそうです。
週末はまた雨予報ですが、雨の日の読書もいいものです。ぜひお立ち寄りくださいませ。
それではまた。
(津村)
10月のおはなし会を行ないました & 11月のお知らせ
ほっくりとしたさつまいもやかぼちゃがおいしい季節ですね。
『14ひきのかぼちゃ』(いわむらかずお/童心社)のかぼちゃづくしのお料理がすてきにおいしそうです。
さて、10月のおはなし会は、秋たっぷりのおはなし会でした!
===プログラム
絵本 『よーい どん!』 中川ひろたか/村上康成/童心社
絵本 『どんぐりころちゃん』 みなみじゅんこ/アリス館
絵本 『てまりのき』 あまんきみこ/大島妙子/講談社
ペープサート なぞなぞ
『なぞなぞえほん 1のまき』『なぞなぞえほん 3のまき』(中川李枝子/山脇百合子/福音館書店)より
パネルシアター 「きれいなお窓」
『パネルシアターを作る3』(古宇田亮順/松田浩仁/東洋文化出版)より
パネルシアター 「カレーライス」
『てづくりのパネルシアター』(月下和恵/東洋文化出版)より
===
ひとつめのおはなしは『よーい どん!』。
秋といえば「運動会」。
かけっこ、とびばこ跳んで、網をくぐって。
泳いだり、三輪車競争をしたり、なわとびで空まで飛んじゃいます!
最後は、借り物競争の借り物を探して探して・・・。
ちょっと愉快な運動会、参加してみたくなりますね!
秋といえば「どんぐり」。
ふたつめのおはなしは『どんぐりころちゃん』。
わらべうたもあります。
「どんぐりころちゃん あたまはとんがって おしりはぺっちゃんこ どんぐりはちくりしょ♪」
どんぐりってたくさん仲間がいますよね。
シイやコナラ、クヌギなどなど。
でもみんな、頭はとんがって、おしりはぺっちゃんこ。
どんぐりを拾ったら、確認してみてください。
みっつめのおはなしは『てまりのき』。
長岡京市在住の児童文学作家、あまんきみこさんの秋を感じる絵本です。
仲良しのヨウくんを誘いに行ったナナですが、ヨウくんはお留守。
つまんないなあ、と道をとぼとぼ歩いていると、道の向こうから赤いまりが転がってきました。
まりの持ち主は、きつねの女の子。
ナナは、きつねのこにまりつきに誘われます。
まりを持っていないナナは、きつねのこに連れられて、まりがなるてまりの木へ。
赤くてぴかぴか、甘い、いいにおいのするまりは、とてもよく弾みます。
てまりの木のまりは魔法のまり。
不思議であったかいおはなしです。
ここでなぞなぞを。
福音館書店から出ている『なぞなぞえほん 1のまき』と『なぞなぞえほん 3のまき』に載っているなぞなぞをペープサートに。
「きょうの ごちそう なにかしら?
みないで あてる あなが ふたつの めいたんてい」
さあ、答えはなんでしょう?
続いてパネルシアター、「きれいなお窓」。
ウクレレの演奏つきです!
はてな どなたの おうちかな?
「誰が住んでいますかー?」と声をかけると、動物たちの鳴き声がかえってきます。
「カアカア」これはカラスさんのお家。
「ブーブー」これは?
「ぶたさん!」
秋といえば「食欲の秋」。
ということで、最後のおはなしは「カレーライス」。
みんなで一緒に作りましょう。
歌にあわせて手を動かします。
にんじんは手をピース、たまねぎは三角に。
じゃがいもは手をグーに。
おなべで炒めて、ぐつぐつ煮ましょう。
とても美味しそうなカレーライスが完成しました!
今月のおはなし会はこれでおしまい。
11月はどんなおはなしに出会えるでしょう?
皆さまのご来店をお待ちしております。
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11月のおはなし会
11月12日(日)午後2時から(参加自由)
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(大川)