【絵本の棚より】「秋の絵本」と「おじいちゃんの絵本とおばあちゃんの絵本」フェア開催中

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夏休みが終わって8月が過ぎ、気がついたらもう9月。

徐々に日が短くなってきました。

夜には虫の声も聞こえます。

道で落ち葉を目にするようになりました。

そこかしこに秋の気配。

秋が近づいてきました。

 

当店絵本フロアも「秋」モードに変身!

「お月さま」「どんぐり」「葉っぱ」「森」「虫」「おいも」「遠足」「運動会」など、秋を感じる絵本を集めています。

秋の夜長にゆっくりたのしめる、味わい深いおはなしが多い秋の絵本たち。

以下ほんの一部ですが、

秋の絵本から「お月さま」の絵本をご紹介させていただきます。

今年の中秋の名月は9月15日だそうです。

月のキレイな季節に楽しめる絵本、ぜひご覧ください。

 

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 『おつきさま こんばんは』
林明子 作・絵
福音館書店

静かな夜の空。屋根の上が明るくなって、しだいに金色に輝く丸いお月さまがでてきました。「お月さまこんばんは」。ところがそこに黒い雲やってきて、お月さまを隠してしまいます。でもだいじょうぶ。黒い雲は少しお月さまと話をして、また去って行きました。ふたたびあらわれたお月さま、にっこり笑顔で「こんばんは」。 まるで話かけてくるようなお月さまのやさしい表情。思わずにっこりしてしまいます。裏表紙の「あっかんべ」の表情もいい!小さなお子さまから楽しめる、優しく明るいお月さまの絵本です。

 

 

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『月へミルクをとりにいったねこ』

アルフレッド・スメードベルイ 作/垂石眞子 絵/菱木晃子 訳

 福音館書店 

こねこたちのために、ミルクを求めて月に向かうおかあさんねこのおはなしです。おかあさんねこと4匹の子ねこが住んでいる農家の牛の乳が出なくなってしまいました。困り果てたかあさんねこに、犬がミルクのある場所を教えてくれるのですが、それはなんと月!月でおじいさんとおばあさんが運んでいる桶の中身が、ミルクだと言うのです。かあさんねこは月を追いかけます。途中、ぶたやおんどり、こうしも一緒に行くことになりますが、みんな途中であきらめて帰ってしまいます。しかしかあさんねこはあきらめずどこまでも月を追いかけます。そして...! 母強し!ドキドキワクワクの物語を楽しめる絵本です。テンポのいい文章と躍動感のある絵が物語のおもしろさをいっそう魅力的にしており、クスっとしながらもその物語の世界に入り込んでしまいます。子育て中の方はおかあさんねこの言葉に感心させられる部分も。親子で楽しみ、読んだ後は温かい気持ちになる絵本です。ちなみに日本では月にはお餅をついているうさぎがいるといわれていますが、北ヨーロッパでは水を運ぶ男女がいるといわれているそうです。

 

  

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『おつきさまこっちむいて』

片山令子 文/片山健 絵

福音館書店

「おつきさま どうしてぼくについてくるの?」。子どもの素朴な疑問が温かいストーリーになった絵本です。「おつきさま、こっちむいて!」。男の子がいろんな形の月といろんなところで出会います。あっちをむいていた三日月がだんだん姿をかえ、やがてまんまるの満月になります。 そらに見つけたおつきさま。ほそいほそいおつきさま。ねむたそうなおつきさま。顔をあらったみたいなおつきさま。 月が生活の一コマ一コマにいつも自然にいて、その表情も状況によってさまざまだということに気づかされます。元々は福音館書店の月刊誌「ちいさなかがくのとも」として発売されました。お月さまについて知ることができつつも、月とその男の子と家族の温かく優しいストーリーも魅力的な絵本です。優しい気持ちで夜の月を見上げたくなる1冊です。

 

 

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『お月さまってどんなあじ』

マイケル・グレイニエツ 作・絵/いずみちほこ 訳

らんか社 

お月さまってどんなあじなんだろう。そんな素朴な疑問を抱いていた動物たち。ある日小さなカメが高い山の上に登ってお月さまをかじってみようと決心します。山のてっぺんに着いたカメは、まだお月さまに届かないことに気づき、ゾウを呼びます。ゾウがカメの背中に乗り鼻を伸ばすと、お月さまはひょいっと上へ逃げました。そこでゾウはキリンを呼び、キリンがゾウの背中に乗り長い首を伸ばしますが、お月さまはひょいっとまた上へ逃げてしまいます。お月さまを一口かじってみたいという動物たちが次々に自分の背中に他の動物をのせていき、そしてとうとう…。 やさしい雰囲気の文章と質感のある絵が美しく目を引く絵本。繰り返しのリズムが楽しく、最後の言葉からみんなでお月さまの味への想像が広がります。小さな子から大人まで楽しめる優しく和やかな絵本です。

 

 

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『ぽんぽん山の月』

あまんきみこ 作/渡辺洋二 絵

 文研出版

長岡京市在住のあまんきみこさんによる、十五夜に読みたい絵本です。猟師に撃たれてしまったとも知らず、山の上で4匹の子うさぎ達が母さんうさぎを待っています。大きな月が登り、子うさぎ達の目に月の中のうさぎの姿が写ります。それがお母さんうさぎだと思ったうさぎ達は「おりてきてよう」「おなかすいたよう」と叫びます。そんな様子を木の陰からはずかしがりやの山んばが見ていました。「かわいそうに」。山んばは自分がやっとの思いで買ったおだんごを、そっと置いて立ち去ります。そしてそれを見ていた風の子は...。 お月さまのもと、ぼんぼん山でくり広げられる悲しく切なくも優しく温かいおはなしです。優しいやまんばと、温かな文章、情景が目に浮かぶような美しい絵が印象的で、読んだ後はジーンと心に残ります。秋の夜長にお子さまと読んでほしい1冊です。

 

 

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『ぼく、お月さまとはなしたよ』

フランク・アッシュ 作・絵/山口文生 訳

評論社

ある夜、クマくんは空のお月さまを見上げて、お月さまにお誕生日の贈り物をあげたいなと思います。でもいつだろう?なにをあげたらいいかしら?そうだ、お月さまにきいてみよう!お月さまに話しかけても返事がないので、クマくんは川を渡り、森を抜け、山に登って叫んでみました。「こんばんは!」。すると「こんばんは!」。「たんじょう日、いつですか?」。すると「たんじょう日、いつですか?」。お月さまはクマくんが言ったとおりに答えますが...。 実はお月さまの声の正体は「やまびこ」。どうなることかとハラハラするストーリーも、うまく進むんです!一生懸命なクマくんがなんともかわいらしく、微笑ましい絵本。誕生日プレゼントにもよさそうな1冊です。

 

 

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『つきのぼうや』

イブ・スパング・オルセン 作・絵/やのうちきよこ 訳

 福音館書店

 縦35cm、横13cmの楽しいのっぽ絵本です。おつきさまがふと下を見ると、池にもうひとりのおつきさまが映っています。おつきさまはそれが気になって、つきのぼうやにそのつきをつれてきてくれるように頼みます。つきのぼうやは空からずーっと降りてきてもうひとりのおつきさまを探します。雲を通り抜け、鳥の群れを抜け、木の間をくぐり、煙の中を通り抜け、家の前を通って船着場から海の底までたどり着きます。さて、つきのぼうやが持って帰ったちいさなつきとは...? 縦長の形を存分にいかして、つきのぼうやが空からおりてくる様子が活き活きと描かれている楽しい絵本です。空からおりてくる男の子の冒険をみんなで楽しめる1冊です。

 

 

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『パパ、お月さまとって!』

エリック・カール 作絵/もりひさし 訳

偕成社

絵本の魔術師とよばれるエリック・カールの色彩豊かなしかけ絵本です。ある晩、モニカがベッドにいこうとすると、窓からお月さまがとても近くにみえました。「パパ、お月さまとって!」。娘に月をせがまれてパパは、ながーいながいはしごを持ってきて、たかーいたかい山のてっぺんにはしごを立ててお月さまへとのぼっていきます...。 空の高さや月の満ち欠けを表現するために、絵本の画面が左右上下に開くというびっくりのしかけ。パパがもってきたながーいながいはしごは横に4ページ分、たかーい山に登るところは縦に2ページ分、そして大きなお月さまは縦横4ページ分のジャンボサイズで登場します。スケールの大きなしかけにみんな喜ぶこと間違いなし。月の満ち欠けを学ぶこともできます。しかけだけでなく、その物語はお父さんの優しさにあふれており、ぜひお父さんと一緒によんでほしい1冊です。ちなみに小型サイズのポートブックもあります。

 
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いかがでしたでしょうか?
十五夜の夜に月を見ながら、ゆったりと「お月さま」の絵本をお楽しみ下さい。
 
 
そして、9月といえばもうすぐ「敬老の日」。
こちらのコーナーには「おじいちゃんの絵本とおばあちゃんの絵本」を集めました。
優しくて、切なくて、たくましくて、おもしろい、
たくさんのおじいちゃんとおばあちゃんの物語。
家族みんなで楽しめるおじいちゃんとおばあちゃんの絵本、
こちらもぜひお楽しみください。 

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秋の世界を味わえるこれらの絵本。
ゆったりとした時間の中でじっくり読みたくなるおはなしが多いように感じます。
お気に入りの1冊を見つけてみてくださいね。

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(津村)