バンビオのお店便り 8月第5週
ようやく朝夕涼しく風が心地良い秋になりました。
きもち空が高くなったようで、背伸びしても、雲が掴めそうになく、どこまでも果てしない広がりを感じて、引き込まれつつ、自然の大きさへの畏怖も感じます。
今日のバンビオ店はこんな感じです
おなみだぽいぽい 原画展 始まっており、後藤さんの装丁の、色づかいや造形の面白さが目を引きます。
面白い仕掛けも盛りだくさん。是非お立ち寄り下さいませ。
今日の本棚より
安野光雅さんや本の雑誌も気になりますが
『なくなりそうな世界のことば』 創元社
このシリーズの本、着目点が面白いですね。
言葉はイキモノで現実に世界中でたくさんの言葉は生まれ、無くなっている。でも誰かの中で生き続ける言葉もありー例えば物語の中であったり。
言葉との出逢いは、人と同じく、多いと人生豊かになるのでは。と改めて思えるご本ですね。
続きまして
『夜とぼくとベンジャミン』
秋に詩集を読みたくなりませんか。
個人的に、カバンの中にディキンスンや高村光太郎を持ち歩く季節になりました。
現代詩も良いですね。『早く家へ帰りたい 』を書かれた詩人さんです。装丁も素敵。
最後に
佐々木正美さんのご本、育児書の棚に集まっております。
『子供へのまなざし』 福音館書店から3冊でていますね。
ご本人はきっと、どの子にもあたたかく温もりのある眼差しを向けておられた方のでしょう。
実際の子育ては理想通りいかない事が多々ありますが、この本を読むと、一度立ち止まり、振り返り、背筋を正しく、もう一度子供とムギュッと手を繋いで、歩き始めるきっかけを与えて下さる、と私は感じています。
それでは、また。
バンビオ店 星山
後藤美月『おなみだぽいぽい』原画展はじまりました
後藤美月さんの初めての絵本『おなみだぽいぽい』の原画展がスタートしました。
「だから なきました おなかのおくに ある かたまり
ふつふつ ぜんぶ なみだに なるように」
授業で先生のいうことがわからなかった「わたし」は誰もいない場所で泣いてしまいました。かくしておいた大好きなぱんのみみも今日はのどがつまってうまく食べられません。涙のしみたぱんのみみをわたしが天井の穴にむかって投げると...。
子どもも大人も心の奥にしまっていた何かを思い出すストーリーと、斬新で色鮮やかな絵。うまく言えない泣きたい気持ちにそっと寄り添う絵本です。
切って、貼って、塗って、地層のように重ねられた原画は迫力満点です。
ずらっと並んだ原画は見応えがあります。
今回はおもしろい仕掛けもたくさんご用意しました。
天井では、ぱんのみみをくわえたはとのソフトグライダーがゆらめいています。
こちらは「ぽいぽいコーナー」。泣きたいときは、心の中のかたまりを全部投げ飛ばしてしまいましょう。天井に向かってぱんのみみを「ぽいぽい」っとどうぞ!
「ぽいぽいハウス」もあります。感想や思ったことなどを何でも紙に書いて「ぽい」っとしてくださいね。
こちらは「おなみだ部屋」。ひとりになりたい時に入れる小部屋です。ライトもあるので、ひとりでこっそり絵本を読んでみても、物思いにふけっても...。
後藤さんがイラストレーターとして装画を担当した書籍も並べました。あれもこれも後藤さんの装画です。表紙をみているだけで楽しくなります。
貴重な装画日記もお貸しいただきました。装画を担当した作品1冊1冊への後藤さんの思いやコメントが綴られていてとても興味深いです。
そしてこんなに素敵な後藤さんオリジナルのポストカードも。どれも本当にかわいくてどれにしようか迷います。
『おなみだぽいぽい』の対象読者は0歳~100歳超!読後は心の中の何かまで一緒に「ぽいぽい」されたような不思議なすっきり感があります。みなさま、ぜひお手に取ってご覧下さい。
そして貴重な原画、ぜひ間近でじっくりとご鑑賞くださいませ。
ご来店お待ちしております。
―― おなみだぽいぽい原画展 ――
◆会期:2017年8月25日(金)~9月9日(火)
◆場所:恵文社バンビオ店
◆作家紹介:
後藤美月(ごとう・みづき)
1981年、三重県生まれ。
名古屋デザイナー学院卒業後、子どもの本専門店メリーゴーランドに勤務。
その後、イラストレーターを目指し上京する。
書籍装画や新聞挿絵などの仕事を行うかたわら、絵本制作に取り組む。
本作が、初めての自作絵本になる。
(津村)
夏休み紙工作ワークショップ「ぼくの・わたしのおべんとうをつくろう byこのちから』を開催しました。
先週の日曜日は夏休み特別企画、紙工作ワークショップ「ぼくの・わたしのおべんとうをつくろう!」を開催しました。
当店でも取り扱い中の子育てリトルプレス『このちから』を制作しているおふたり、池永知美さんと芹川小百合さんをお招きし、親子一緒に思い思いの自分だけのおべんとうを作りました。
先生たちは作り方を指導するわけではなく、ちょっとしたヒントを与えるだけ。あとは子ども達の自由な発想に任せます。
のりまき、おにぎり、たまご、たこさんウィンナー、からあげ、ハンバーグ、ブロッコリー、焼きそば、ナポリタン、さくらんぼ、プチトマト、ぶどう…。
どんどんアイディアが湧いてくる子ども達。みんなどんどん手が動きます!すごい!
「なにつくる?」「のりまきには何をいれようか?」「こうした方がいいんじゃない?」。おかあさんやおとうさんも一緒に、徐々に真剣・夢中になって、こだわりのオリジナルなおべんとうを作ってくださいました!子どもと同じ目線で、親子一緒に考えて手を動かす姿がとても印象的です。子ども達にとっては何よりの楽しい時間ですね。
こんなにすてきなおべんとうがたくさんできました!個性がでますねえ。オリジナルの箸をくっつけていたり、おべんとう箱に絵を描いていた子もいました。
作ったおべんとうはポシェットに。恵文社オリジナルのスタンプ付きです。かわいい!
なかなか普段家で工作をしたくても、どうやればいいのかわからず尻込みしてしまいがちですが、今回のワークショップで先生方からもらったヒントやアイディアをきっかけに、またお家でも楽しんでいただければと思います。
ご参加いただいた皆様、先生方、ありがとうございました!
(津村)