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お茶目な開運 『DARUMA BOOK』

バンビオ店の本棚から

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『DARUMA BOOK』(cochae/青幻舎)

 

「縁起物」というイメージはあるものの、実はなんなのか良くわかっていない、ちょっとミステリアスな存在のだるま。そんなだるまを日本中から集め、一冊にまとめたのが『DARUMA BOOK』だ。手がけたのは当店でも『トントン紙ずもう』や『こけし系図』が大人気のユニット、cochae(コチャエ)さん。いかめしい顔をしたベーシックなだるまから、ちょっととぼけたお顔のだるま、手足がにょっきり生えただるま、さらにはもじゃもじゃと毛が生えてしまった衝撃的なだるままで。全国各地、地方の数だけだるまがある、というよりむしろ作った人の数だけだるまがある。

本書では、数々のだるまをcochaeさんならではの語り口でユーモラスに紹介するばかりでなく、そのルーツやデザインなど豆知識も教えてくれる。だるまの起源は約1500年前のインドに実在した人物であったとか、赤い色は高貴な僧侶の証であるとか。なかでも驚きなのが、選挙の中継で必ず目にするだるまに墨で目を入れるあの儀式について。日本の選挙を代表するかのようなポピュラーな光景であるが、そもそも右目と左目を順番に入れる意味はなんなのか。どうして白目を剝いた恐ろしい状態のだるまが商品として成り立つようになったのか。なんとなくありがたがってはいるが、実際のところわかっている人は少ない。本書にはそんな理由もきちんと記されている。「『目入れだるま』は江戸時代からあり、だるまをたくさん売るためのアイデアから誕生した」と。え、そんな理由で?バレンタインのチョコレートのような商魂丸出しの理由。伝統や習慣のおそろしさ。

とはいえ、お正月のめでたい空気には理屈抜きでよく似合うだるまさん。一年の願掛けに目を入れる、というのは稀かも知れないが、ちょこんと飾ってみるのもいいかもしれない。

 

 

(鳥居)