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しっかりのんびり フリー冊子『のんびり』

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 『のんびり 2013 Autumn 06』(のんびり編集部/秋田県)

 

高度成長期をのんびりすごしていた秋田県は、日本の最後尾=ビリを走っていたかのようだったそうです。しかし、成長や豊かさの定義に疑問符が付けられはじめた今、暮らしの真ん中にうまい米とうまい酒があり、大らかで力強い人々が暮らす秋田県はビリなどではなくなりました。ビリもトップも関係ない、「ノン・ビリ」の時代となったのです。そんなのんびり県・秋田から一冊の立派なフリー冊子が届きました。

6冊目となる今回のテーマは「20年後の日本酒」。杜氏と呼ばれる日本酒造りの責任者は、そのプライドゆえに技術を伝えられず、蔵の日本酒づくりが途絶えてしまうこともあるそうです。そんな中でも酒造りを継承していこうとする人たちを丁寧に取材した記事からは、蔵を続けていくことの困難さと喜びがひしひしと伝わってきます。

特に「浅舞酒造」の森谷杜氏の記事は、秋田を訪れたこともない、秋田の人の話す言葉も聞いたことがない人にとっては、すこし読みづらい記事かもしれません。しかし、秋田の言葉そのままで綴られた文章だからこそ伝わる想いがあります。

一歩一歩着実にものをつくり、暮らしをつくってきた秋田の人たちから私たちが学べることは多いのではないでしょうか。

 

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15日から店内では「ふるほん秋まつり」が始まります。この冊子に登場する秋田の人々のように、著者別・出版社別の整然と並んだ棚から目的の本を探すのでなく、世界に一冊しかない古本たちの中から、のんびりゆったりお気に入りの一冊を探していただけたらと思います。

 

 

(鳥居)