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『終わりなき旅の終わり』の行く先

バンビオ店の本棚から

 

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『終わりなき旅の終わり―さらば遊牧夫婦』(近藤雄生/ミシマ社)

 

『遊牧夫婦』、『中国でお尻を手術』と続いたシリーズ第三弾にして最終巻。著者・近藤雄生さんとその妻・モトコさんの5年間の旅の最後の一年間を描く。ユーラシア大陸を横断しアフリカに至るまでの旅を通して、著者の旅に対しての考え方の変化、夫婦として生きていくことへの想いがじんわりと読み取れる一冊だ。

旅に生きる生活というものは、日本で暮らす僕たちにはうまく想像できないことも多い。たとえばカイラス。高度4000メートル超の巡礼路と神々しい山々、そしてそこでの精神状態などまさに行った者にしかわからない。

しかし、本書の終盤に語られる故郷についての想いは共感できる。

 

五年旅をしようが、十年旅をしようが、自分たちには帰るところが常にある。いつまでも旅を続けるにしても、帰る場所があるからこそ、旅は旅であり続けることができるのかもしれない。

 

二人が旅先でであったロシアのジプシーたちや、チベットから亡命した少女。彼らのような生き方も確かに存在する。だが彼らにもかならず故郷がある。生まれ育った土地への想いは人それぞれかもしれない。帰りたいと思っても帰れない人もいる。帰りたいとも思わない人もいるかもしれない。はたして自分はどうだろうか。自分にとっての故郷とは何だろうか。それは故郷を離れたときに初めてわかるのかもしれない。 

先日、近藤さんとお話をさせていただいた。旅を終えて5年。いま近藤さんは一家でイスタンブールでの生活を夢見ているそうだ。その時、近藤さんにとっての故郷は、そして二人のお子さんにとっての故郷はどのようなものになるのだろうか。

 

 

【お知らせ】

本シリーズ3巻を購入された方へ、近藤雄生さん・モトコさんから素敵なプレゼントが!以下、ミシマ社・三島邦弘さんのツイッター@ mishimakunihiroより引用いたします。

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『遊牧夫婦』シリーズ3作すべてをお買い求め下さった方々へ。シリーズ3冊を並べた写真を送ってくださいませ(hatena@mishimasha.comまで。件名・遊牧夫婦の写真)。近藤さんの旅先の中で1番欲しい場所の写真(近藤さん撮影)をプレゼント!プラス特典もあるかも!

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(鳥居)