ピアノアルバム「カゾクゾウノ旅」取扱いを始めました

関西を拠点に活動されているピアニスト、西島 芳さんのアルバム「カゾクゾウノ旅」の取り扱いを始めました。

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以下、西島さんから頂いた紹介文です。

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アルバム「カゾクゾウノ旅」のこと

 

2005年、兵庫県川西市にあるギャラリーHANAREにて、友人である美術家;緒方敏明氏の個展が開かれました。ここで「泉に映った空の青を鼻ですくいとる方法を息子へ伝える父とそれを見守る母」というタイトルの陶彫刻作品に出会いました。
緒方氏らしい透明感とタイトルに、すぐ目を引かれました。会場を一回りして再びこの作品の前に立ったとき、「個人所蔵」とされていたこの作品が、同年1月に生まれたばかりの私の息子の誕生を記念して作られたものであることを、緒方氏本人から知らされました。
まったく思いがけなかった出来事に、私は胸が熱くなりました。
そのころの私は、初めての子育てが始まったばかり、音楽どころか外出もままならない時期でしたが、ジャンルは違っても「人が作ったもの;作品」がこんなふうに人を幸せに出来るんだ、ということにあらためて心が震えました。
そして、私はこの作品と、実際の新生活を土台に、「カゾク象シリーズ」として曲を書き始めました。

2008-2009年にかけて、これらの曲を「組曲」としてまとめ、信頼するメンバーの力を借り、京都、大阪、神戸等でのライブを行った後、レコーディングをしました。
この音源をCDにするにあたって、音だけでは物足りなく思い始めました。
緒方氏の作品の魅力はもちろん、音楽と通じるところの多い美術の要素を取り入れられないか、と思案していたとき、またもや緒方氏の個展で、「製作ノート」なるものに出会いました。作品作りのためのメモやスケッチです。アーティストによっては公開しないひとも多いようですが、そこには莫大な素描やアイデアが記されていて、緒方作品の原石をみるような気持ちがしました。本来、人の目にふれることを前提としていないにも関わらず、それらは美しく、むしろ本質的で、ユーモアに溢れ、ときに支離滅裂で、まるで詩のような感覚がありました。この製作ノートを編集したい、と緒方氏に相談すると大切な過去のノート数十冊を、貸してくれました。
こうして私はブックレットとポストカードを作りました。スケッチなどすべての素材は緒方氏のもので、西島の独断と責任においてそれらを編集、レイアウトしました。その意味で、この作品は「コラボレーション」でなく「フィーチャリング緒方敏明」です。

音楽が配信で楽しめる時代ですが、このアルバムのおいたち上、切り離すことのできなかった、ここに手に取ることの出来るものの風合い、手触りなどが、音とともに少しでも伝わったら幸いです。

 

西島 芳

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店内奥の特設スペースにて販売中です。

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西島さんのブログでも当店をご紹介いただいています。
http://kaoling.cocolog-nifty.com/kaoling_musique/2013/05/post-53c2.html

 

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ライブのお知らせ

6/21(金)大阪Jazz On Top アクトⅢ 19:00~

8/4(日)川西市 ギャラリーHANARE 14:00~ (作品展示あり)

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(鳥居)