リニューアル棚紹介 VOL.3

リニューアル棚紹介第3弾。入り口正面の列をすすんで左手にある「宗教を考える」棚です。

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古代ギリシャの神話から始まりキリスト・イスラム・ユダヤの各宗教から、仏教や神道までをそれぞれやわらかくご案内した書籍を展開しています。他にも、現代の宗教としてオウムを始めとしたカルト信仰などについても客観的に考えてみる手助けとなるような書籍をそろえています。

 

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『現代霊性論』(内田樹・釈撤宗/講談社文庫)

思想家・内田樹と宗教家・釈撤宗による対談集。もとは大学で行われた授業の講義録であり、学生向けに語られる二人の言葉は宗教や霊といった概念を無理なく教えてくれます。切っても切れない関係にある、霊と宗教。一見ややこしく専門的な堅い話を覚悟してしまいますが、話題の入り口となるのは靖国神社への参拝やタロット占いなど身近なものばかり。

多岐にわたる切り口で、主に現代の宗教にまつわる疑問、問題点、そして付き合っていく上で気をつけるべき点をさらりと解説します。難解な教義や、教科書的な成立過程から宗教というものに触れてしまうとうんざりするほどの専門用語や独特の価値観に阻まれ、興味をそがれたり、あきらめてしまったりしがちです。しかし本書では真逆の立場、つまり最終的に宗教はわたしたちにどうかかわってくるのかという点から宗教について考えているため、ぐいぐいと興味をかきたてられ、そもそもの成立過程もすんなり頭に入ってきます。知識を一方的に学ぶだけではなく、社会や生き方について少し考えてみるきっかけとなる一冊です。まず本書を読んでから、入門書に手をつけることをおすすめします。

 

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『神社とお寺はたのしい』(中尾京子/アノニマスタジオ)

鶴岡八幡宮・長谷寺など魅力的な社寺仏閣が集中する町、鎌倉の一風変わったガイド本です。神社やお寺の「オモシロがり方」を教えてくれる一冊。鎌倉の町を歩いて出会うさまざまなスイーツや、甘縄神社の「あいーん・ライオン」など具体的な町歩きガイドを基本にしており、鎌倉をまわる際には各章に添えられたおすすめルート&ガイドなるエッセイは必携。その一方で、基礎知識としてもっておきたいそもそも神さまってなに?とか、御朱印帖ってなに?といった疑問にもやさしく答えてくれます。

神社やお寺を見る際には、どうしても観光としての一面ばかりに気をとられ、そこが信仰の場であるという点をおざなりにしがちですが、きちんとした知識を持ち、礼儀をわきまえた社寺の楽しみ方を教えてくれる貴重なガイドとなってくれるはずです。

 

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普段は気にとめていなかったことも、宗教という目線で見るとまた違った見方ができるのかもしれません。

 

(鳥居)