林明子さんの絵本『こんとあき』のエスキース展がはじまりました。

f:id:keibunshabanbio:20171108011542j:plain

f:id:keibunshabanbio:20171108011508j:plain

林明子さんの絵本『こんとあき』(福音館書店)のエスキース展がはじまりました。

 

「こんは、あきのおばあちゃんが作ったキツネのぬいぐるみです。あきが成長するにつれ、こんは古びて、腕がほころびてしましました。あきはこんを治してもらうため、こんと一緒におばあちゃんの家にでかけます。あきは、電車でこんとはぐれたり、犬に連れさられたこんを探したりと、何度も大変なめにあいます。こんとあきは無事におばあちゃんの家にたどりつくことができるのでしょうか?」

 

林明子さんの絵本の中でも人気が高く、長くたくさんの人に愛されている絵本『こんとあき』。今回はその貴重なエスキース(下絵)をお借りし、数点ごとにまとめて額装したものを展示しています。

 

f:id:keibunshabanbio:20171108011322j:plain

繊細で温かく生き生きと描かれた鉛筆画からは、絵本が出来上がる前段階の試行錯誤の跡が見えます。それはまるで舞台のリハーサル風景をみているような緊張感。こんとあきに命が吹き込まれる瞬間です。真剣そのものの絵本制作の裏側をこっそり覗いているようなこの感覚は、下絵だからこそ味わえるとても贅沢なもの。作者の息遣いまでも感じられそうな近距離で制作過程を見ているようです。胸がいっぱい。ため息が漏れます。

 

f:id:keibunshabanbio:20171108011646j:plain

エスキースと完成した絵本の違いをぜひ見比べてみてください。その違いに勝手な想像が膨らみます。

 

林明子さんの絵本もたくさん並べました。絵はがきや、僅かですがハンドタオルも。

f:id:keibunshabanbio:20171108011416j:plain

 

ちなみに、この『こんとあき』の絵本にはたくさんのキャラクターが隠れていることはご存知でしょうか?チャップリン、不思議の国のアリス、タンタン、『はじめてのキャンプ』のなほちゃん、さむがりやのサンタ、『ピーターラビットのおはなし』のマグレガーさんなどなど。そんなお楽しみもあったなんて、林さんの遊び心が嬉しいですよね。ぜひ絵本を開いて探してみてくださいね。

f:id:keibunshabanbio:20171108011439j:plain

 

現在、伊丹市立美術館では林明子さんの原画展を開催中です。今回はその時期にあわせてエスキースをお借りすることができました。貴重な『こんとあき』のエスキース、当店で見られるまたとない機会です。ぜひごゆっくりご鑑賞くださいませ。

ご来店お待ちしております。 

 

―― 林明子『こんとあき』エスキース展 ――

◆会期:2017年11月6日(月)~11月27日(月)
◆場所:恵文社バンビオ店

◆作家紹介:

 林明子(はやし あきこ)
 絵本作家。1945年東京都生まれ。1976年にはじめての物語絵本『はじめてのおつかい』を手がける。代表作に『こんとあき』『おつきさまこんばんは』『はじめてのキャンプ』などがある。

 

 

 


(津村)

たくさんのふしぎ9月号『アリになった数学者』フェア開催中

f:id:keibunshabanbio:20170805153857j:plain

たくさんのふしぎ9月号は、当店の姉妹店恵文社一乗寺店で3ヶ月に1回ブックトークを開催してくださっている、独立研究者の森田真生さんによる『アリになった数学者』です。絵を担当されたのはマリメッコやSOUSOUなどのテキスタイルデザイナー、絵本作家でもある脇阪克二さん。

ある日、アリになった数学者がアリの目線で世界をみつめる物語です。
「人間ではない生きものたちに、はたして数学は通じるのだろうか。」
この世に実在しない数字というものはいったいなんなのか、そんな問いをはじまりに一歩ずつ世界のひみつに近付いていきます。

f:id:keibunshabanbio:20170805153919j:plain

今回パネルの展示と一緒に著者の森田真生さんにご紹介いただいた本も置いています。
生きものたちの知覚と行動を知るうえで重要な科学の古典『生物から見た世界』
「1とは何か?」という問いに、人生をかけて取り組んだ数学者フレーゲの『算術の基礎』
絵本を書く際に、アリの写真をたくさん送ってくれたという写真家、浅井美紀さんの『幸せのしずく World of Water Drops』は、物語に登場する、しずくのなかの世界を追体験できる写真集です。
数字の中に色や感情、動きを感じる共感覚の持ち主の著者による手記『ぼくには数字が風景に見える』

展示しているパネルの数式は、森田さんが抜き書きしたラッセルとホワイトヘッドによる「プリンキピア マテマティカ」の一部です。
1+1=2という誰でもわかる計算式がどういうことかということを定義した部分です。

数学と聞くと難しい学問だと思ってしまいがちですが、森田さんのいう数学はもっと身体的で、ひとつのしずくのなかに世界がうつりこむように、1という数字のなかに世界があって、それが動き続けていくのを眺めるような、そんなふしぎな体験です。
数学って苦手 と思っているお父さんお母さんにも一緒に読んでほしい絵本です。

脇阪さんが描いた絵を見ていると、テキスタイルをデザインすることと、数学をすることはどこか似ているような気がします。

日々の暮らしのなかに数学がまぎれこんでいるのをみつけてみるのも楽しそうです。

f:id:keibunshabanbio:20170805153843j:plain

 

(濱田)

岩波少年文庫「名作アニメ原作本」フェア開催中です

f:id:keibunshabanbio:20170724014524j:plain

岩波少年文庫「名作アニメ原作本」フェアを開催中です。

 

子どもの頃、夢中になって観ていたテレビアニメ「世界名作劇場」。

毎週とても楽しみで、その番組を通してたくさんの物語と出会いました。

中でも私がいちばん好きだったのは「あしながおじさん」。

一見とても明るくて元気でありながら、実は心の中に強い孤独感を持つ女の子ジュディに惹かれ、毎週ワクワクドキドキしながら観ていました。

 
今回はそんな「世界名作劇場」でアニメ化された作品の原作本を、岩波少年文庫で集めました。アニメは有名で知っていても、意外と原作を読んでいないものもあるのではないでしょうか?
(ちなみに私は現在『ハイジ』を読んでいるのですが、もうすぐあのクライマックスの「クララが...!」の場面にさしかかろうかというところです。)
これだけあるとどれにしようか迷いますね。

f:id:keibunshabanbio:20170724014542j:plain

f:id:keibunshabanbio:20170721021214j:plain

 
尚、今なら、対象書籍を2冊お買い上げいただきご応募いただくと、特製マスキングテープが全員にプレゼントされるキャンペーンも行われているようです。こちらもぜひどうぞ。
 
もうすぐ夏休み。
親子で、世代を超えて、永く楽しめる児童文学の名作。
アニメとはまた違った楽しみ方ができるはずです。
ぜひ原作でその物語をたっぷりお楽しみくださいませ。
 
ご来店お待ちしております。
 
(津村)