【絵本の棚より】「雨の絵本」はじめました。

f:id:keibunshabanbio:20170602032718j:plain

f:id:keibunshabanbio:20170602032822j:plain

f:id:keibunshabanbio:20170602032830j:plain

 6月。近畿地方も梅雨の季節になりました。

絵本売場も「雨の絵本」に衣替え。雨や雲、虹、傘、カエルなどの絵本を多数ご用意しました。

色や音、匂いなど、雨の季節独特の空気を感じられる絵本や、ゆかいなカエルの絵本など、この季節ならではの豊かさにあふれた絵本の数々。色彩豊かな美しい絵本も多いので、大人の方にもきっとじっくり味わっていただけるはずです。

 以下、少しだけピックアップしてご紹介します。どうぞお楽しみください。

 

 

f:id:keibunshabanbio:20170602032802j:plain

『雨、あめ』ピーター・スピアー 作・絵(評論社)
雨の日の楽しさや美しい世界が、姉弟のふたりを中心に絵だけで描かれた文字のない絵本です。レインコートを着て雨のふる庭へ飛び出していく喜び、クモの巣に光る雨のしずく、水たまりに広がる波紋、びしょびしょの体をふいて温かい飲み物を飲む瞬間、雨上がりの庭の澄んだ空気...。ページ細部まで雨の日の楽しさや美しさが溢れており、雨の豊かな世界に魅了されます。雨の日がきっと好きになる1冊です。
 
 

f:id:keibunshabanbio:20170602032913j:plain

 『おんなのことあめ』ミレナ・ルケショバー 作/ヤン・クドゥラーチェク 絵/竹田裕子 訳(ほるぷ出版)
女の子と雨のやさしい交流を描いた、チェコの人気絵本作家による絵本。外を歩いていた女の子が雨に出会います。雨は女の子と一緒に遊びたいのですが、女の子が家に入ってしまって置いてけぼり。雨は泣きながら女の子を探し回ります。そこへレインコートを着た女の子が再び現れて…。雨粒ひとつひとつまで丁寧に描きこまれた美しい絵。ページをめくるたびに変化する雨の色彩が、雨の気持ちを表情豊かに表しています。雨を避ける人や動物とは対照的に、雨を喜ぶ生き物たちのいきいきとした姿も印象的です。女の子目線ではなく、雨目線ですすむお話も新鮮。雨の日の美しさを教えてくれる絵本です。 

 

 

f:id:keibunshabanbio:20170602033049j:plain

『あかいかさ』ロバート・ブライト 作・絵/清水真砂子 訳(ほるぷ出版)

赤いかさを持って出かけた女の子。動物たちがかさに入れてと集まってきます。ウサギもキツネもニワトリも、そして大きなクマまでが…。気がつくとこんなにいっぱい!かさも大きくなったみたい。かさのなかでみんなで楽しいコーラスがはじまります。読んだ後はお気に入りのかさを持って外に飛び出したくなる、優しくてほのぼのとした雨の日の絵本です。

 

 

f:id:keibunshabanbio:20170602032923j:plain
『かさ』太田大八(文研出版)

雨が降りしきる公園の脇を、真っ赤な傘をさして大きな黒い傘を脇に抱えた女の子が歩いています。友達とすれ違い、線路の橋を越え、歩道橋をわたって、女の子と赤い傘が進んでいきます。やってきたのは駅。おとうさんを迎えにきたのです。ケーキを買って、おとうさんの大きな傘に入り、家路につきます。黒一色で描かれた中に、女の子の傘だけが赤く彩られた文字のない絵本です。文字はありませんが色味を抑えた印象的な絵が女の子の心情をくっきりと浮かび上がらせます。想像をふくらませてじっくり雨の日の世界を味わえる絵本です。
 
 

f:id:keibunshabanbio:20170602032855j:plain

『かばくんのふね』岸田衿子 作/中谷千代子 絵(福音館書店)
あの『かばくん』のいる動物園が、降り止まない雨のせいで洪水になってしまいました。キリンもカンガルーも小さい動物たちもみんな、子どもをつれて、かばくんの背中に乗せてもらおうとやってきます。かばくんは船となって自分の背中にみんなを乗せ、安全な場所に運びます。ちびのかばくんもがんばります。かばくん大活躍。大雨さえもなんだかのんきに楽しんでしまえるかばくん。リズミカルで味わいのある文と絵が特徴的な、自然と笑顔になるのどかで頼もしいかばくんの絵本です。

 

 

f:id:keibunshabanbio:20170602032847j:plain

『ぞうくんのあめふりさんぽ』なかのひろたか 作・絵(福音館書店) 
『ぞうくんのさんぽ』シリーズ。雨が降ってもごきげんなぞうくんが、かばくんを散歩に誘います。「池の中ならいいよ」と言われ池の中を散歩しますが、どんどん深くなり困るぞうくん。そして、わにくん、かめくんと、次々友だちがやってきて…。ほのぼのしたおっとりなぞうくんと一緒に、雨を浴びながら散歩している気分になる絵本。『ぞうくんのさんぽ』同様、お決まりのラストに思わず笑ってしまいます。何度読んでも楽しい雨の日の定番にしたい1冊です。
 
 

f:id:keibunshabanbio:20170602032902j:plain

『だるまちゃんとかみなりちゃん』加古里子 作・絵(福音館書店)
だるまちゃんシリーズから。小さなかみなりちゃんが空から落ちてきました。かみなりちゃんと仲良くなっただるまちゃんは、迎えにきたかみなりどんに連れられて雷の国へ。雷公園のプールで遊んで、雷町稲妻通りゴロゴロ番地のかみなりちゃんのうちへ行って...。細部まで細かく描きこまれた絵が何度見ても楽しいこちらも大定番の1冊です。
 
 

f:id:keibunshabanbio:20170602032735j:plain

『ふしぎなにじ』わたなべちなつ 作・絵(福音館書店)
 鏡のように反射するピカピカの紙でつくられた絵本。絵本を開くと、両側のページの絵が互いに映りこみ、立体的に見えるしかけになっています。角度によって開く度に微妙に見え方が変わるのもおもしろいところ。ページとページの間に浮かび上がる様々な不思議な虹の美しさを存分に楽しめる、これまでにない新しいしかけ絵本です。

 

 

f:id:keibunshabanbio:20170602032811j:plain

『かえるがみえる』松岡亨子 作/馬場のぼる 絵(こぐま社)
 「かえるがみえる」「かえるにあえる」「かえるがかえる」「かえるがふえる」...。「かえるが(に)◯◯る」の韻をふむことばの連続とユーモラスな絵で進む、かえるの国のおかしな物語を楽しめる絵本です。出てくる出てくることばの数々。その「かえることば」の多さにびっくり!そして思わず唸る秀逸なフレーズも。日本語のおもしろさに出会える、とにかく愉快なことばあそび絵本です。大人もハマる楽しさです。

 

 

f:id:keibunshabanbio:20170602033013j:plain

『ゆかいなかえる』ジュリエット・ケペシュ 作・絵/石井桃子 訳(福音館書店)
ゆかいな4ひきのかえるの物語。水の中の4つのたまごは、おたまじゃくしからりっぱな4ひきのかえるに成長します。かえるたちは、泳ぎの競争をしたり、かたつむりをかくしっこしたり、ときには敵から身をかくしたりと仲よく愉快にくらします。そして夏が終わり冬がくると、花が咲く春まで眠ります。ユーモラスな絵とリズミカルな文章で、かえるたちの楽しげな1年の暮らしが綴られるとともに、自然の厳しさや生物のたくましさも描かれた絵本。生物としてのかえるの生態にも興味がわきそう。
 
 
 
以上、お楽しみいただけましたでしょうか。
家の中で過ごすことが増える梅雨の季節を、楽しいものにしてくれる「雨の絵本」。 
上記以外にもたくさん並べていますので、ぜひお手に取ってお楽しみください。
 
 
(津村)

 

バンビオのお店便り(音楽の棚よりフェアのご案内)

今回のバンビオ店のお店便りは現在開催中のフェアをピックアップしてご紹介します。

 

本日2017年6月1日はThe Beatlesの伝説的アルバムである”Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band”が発売から50周年を迎えた日だそうです。

この世界的に高い評価を得ているアルバムの発売に記念してか、関連の本が新刊として入荷致しましたのでご紹介させて頂きます。

 

 

 

f:id:keibunshabanbio:20170528191834j:plain

 

『ザ・ビートルズ「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」完全ガイド』 シンコーミュージック

『サージェント・ペパーズ』の制作は当時最先端の技術の更に上をメンバーが要求したためなかなか難航したそうです。そんな制作の裏側を解説した1冊。この本を片手に聞いてみると、魔法のようなサウンドの秘密がわかるかもしれないですね。

 

 

 

更に・・・

f:id:keibunshabanbio:20170528191758j:plain

 

『レコード・コレクターズ  2017年6月号』 ミュージック・マガジン

こちらもサージェント・ペパーズ特集です。多頁に渡る鮮やかなカラーページで、発売各国でのジャケットの微妙な違いを解説しています。ニッチですね~。

また、特集でDoorsが取り上げられています。なんでDoorsなんだろうなと思ったんですが、『ハートに火をつけて』も今年で発売から50周年で、『サージェント・ペパーズ』とこのサイケデリックロックの両雄は同期だったんですね。サイケなロックがお好きな方は是非一度手に取っていただきたいです。

 

 

 

以上となります。

それにしても発売から50年の年月が経ってもいまだに高く評価され続けるというのはすっごい事ですね。私、この50周年の機会に久しぶりに『サージェント・ペパーズ』を聞いたのですが、時間を忘れついつい聞き込んでしまいました。50年経った今聞いても常に新鮮であり続ける偉大なアルバムを、詳しい解説とともに味わってみては如何でしょうか。

そういえば先月末に、最新技術でリマスターされた『サージェント・ペパーズ』が発売されたそうですね。アウトテイクなんかも収録されてるらしいのでファンとしては気になる所です…

また、今月末には更に新刊で『サージェント・ペパーズ』関連本が発売されますのでそちらもご期待ください!

 

 

 

おまけ

 

f:id:keibunshabanbio:20170528191855j:plain

『‘67~‘69ロックとカウンターカルチャー 激動の3年間』 河出書房新社

こちらもつい先日発売した新刊です。個人的に、この3年間のロックがとても好きなので紹介させていただきます。

1967年~1969年は世界の暗さとは対照的に若者、ロックにとって最も刺激的で痛快な3年間だったのではないでしょうか。こちらはその期間を題材としたエッセイ集です。

反戦、ヒッピー、LSD、そしてそれらを牽引したロック。今では到底得ることのできない当時の暗くてヒリヒリした空気感や、若者の発していた莫大エネルギーが感じられ、まるでタイムスリップしたような気分にさせてくれる素敵な本だと思います。

 

 

(中西)

 

【絵本】『たくさんのふしぎ』フェア開催中です

f:id:keibunshabanbio:20170524030057j:plain

f:id:keibunshabanbio:20170524024645j:plain

自然や環境、人間の生活・歴史・文化から、数学、哲学まで。

あらゆる分野から、毎月ひとつのテーマを新鮮な切り口でとらえてじっくり掘り下げる、福音館書店の小学生向け月刊誌「たくさんのふしぎ」。第一線で活躍する研究者や専門家が、世界にあふれるふしぎを子どもたちが自ら感じ、考え、理解していけるよう導いた絵本です。

そんな月刊誌「たくさんのふしぎ」の中から、人気のあった作品が「たくさんのふしぎ傑作集」としてハードカバー化され、刊行されています。

f:id:keibunshabanbio:20170524024555j:plain

 

今回のフェアではその「たくさんのふしぎ傑作集」全点と、月刊誌バックナンバーを集めました。子どもが読んでもおもしろいのはもちろん、大人が読んでもおもしろいこのシリーズ。たくさんのテーマがあるので、自分の興味にあったものを探してみるときっと楽しいはず。

月刊誌バックナンバーは古いものだと2013年のものも。もしかすると貴重な1冊にも出会えるかもしれません。値段が手頃なのも嬉しいですね。

f:id:keibunshabanbio:20170524030035j:plain

 

以下、「たくさんのふしぎ傑作集」よりいくつかピックアップしてご紹介いたします。

 

『ノラネコの研究』(伊澤雅子 文/平出衛 絵)

アフリカの草原やアマゾンのジャングルへ行かなくても、動物の観察はできます。たとえば近所のノラネコ。ネコのあとを1日こっそりついていったら?ゆかいな動物行動学入門の本です。

f:id:keibunshabanbio:20170524025010j:plain

 

『和菓子のほん』(中山圭子 文/阿部真由美 絵)

和菓子は食べておいしいだけではありません。その美しい色や形で、春夏秋冬、移り変わる豊かな日本の自然を表しているのです。和菓子に込められた繊細なメッセージを伝えます。

f:id:keibunshabanbio:20170524024929j:plain

 

『クマよ』(星野道夫 文・写真)

ぐいぐいと草をかきわけて進むクマ。風のわたる草原で遊ぶ親子のクマ。アラスカを歩き、クマを見つめ、クマに見つめられてきた著者が、子どもたちのために遺した最後の写真絵本です。

f:id:keibunshabanbio:20170524024920j:plain

 

『糸遊び布遊び』(田村寿美恵 文/平野恵里子 絵)

さあ、織物に挑戦しよう!特別な道具はいりません。身近にあるものを利用して簡単にできます。自分で使える、ヘアーバンドやぞうり、かごやコースターを作ってみよう。

 f:id:keibunshabanbio:20170524024911j:plain
 

『絵ときゾウの時間とネズミの時間』(本川達雄 文/あべ弘士 絵)

大きくてゆったりしたゾウ。小さくてチョコマカしてるネズミ。でも、一生に心臓がうつ回数を調べると、アレ? 意外な事実の積み重ねから、動物たちの生き方がくっきり見えてきます。

f:id:keibunshabanbio:20170524024955j:plain

 

『おかし』(中川李枝子 文/山脇百合子 絵)

おやつに大好きなおかしが出てくると、つまらない気分のときもなんだかにっこり。力がわいてくるのはなぜ?おかしに込められたひみつのパワーを解き明かします。

f:id:keibunshabanbio:20170524024938j:plain

 

『みんなでつくる1本の辞書』(飯田朝子 文/寄藤文平 絵)

大根1本、柔道の勝負1本・・・。身のまわりにあふれる「1本」と数えるモノ・コトを集め、辞書をつくります。日本語を話す人が「1本」と数える時に描くイメージが明らかに。

f:id:keibunshabanbio:20170524025033j:plain

 

『鬼が出た』(大西/梶山俊夫 絵)

鬼といえば、こわいもの、悪いものの代表のようにいわれていますが、そのほんとうの姿は案外知られていません。ふるい図像を手がかりに鬼本来の姿をさぐっていく「鬼の百科」です。

f:id:keibunshabanbio:20170524025018j:plain

 

『魔女に会った』(角野栄子 文・写真/みやこうせい 写真)

歴史上の魔女、今も生きている魔女。魔女っていったいなんでしょう。こわいところもあるけれど、とってもおもしろい魔女見聞記です。

f:id:keibunshabanbio:20170524024946j:plain

 

『わたしが外人だったころ』(鶴見俊輔 文/佐々木マキ 絵)

戦時中アメリカにいても日本にいても、自分を外人だと感じた著者。ただ、その頼りない気分が、今の自分を支えているといいます。そう、本当はだれも外人なのではないでしょうか。

f:id:keibunshabanbio:20170524025044j:plain

 

いかがでしょうか?

上記以外にも「へえ」や「なるほど」連発のおもしろそうなものがたくさんあって、どれにしようか迷ってしまう程です。

 

ぜひお手に取ってご覧ください。

 

f:id:keibunshabanbio:20170524024602j:plain

f:id:keibunshabanbio:20170524030045j:plain

f:id:keibunshabanbio:20170524024636j:plain

 

 

ーーーーーーーーーーー

『たくさんのふしぎ』フェア

日時:5月18日〜6月中旬頃

場所:恵文社バンビオ店児童書売場

 

(津村)