「母の友」フェア 開催中です。

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福音館書店の月刊誌「母の友」フェアがスタートしました。

 

「母の友」は、

幼い子どもをもつお母さんやお父さんや、

子どもにかかわるすべての人へ向けた、

1953年の創刊以来60年以上続く、福音館書店の月刊誌です。

 

創刊時は戦後の復興の真っ只中。

生きることに一生懸命だった時代です。

価値観が大きく変動する中で、何をめざして子どもを育てればいいのか。

「母の友」は、混乱する母親たちに、

身近で具体的な子育てのヒントを提供する雑誌として生まれました。 

どの時代にも共通する子育ての喜び、

またその時代ならではの悩みが丁寧に取り上げられており、

読んでいて確かな手応えがあります。

私も毎度お世話になっています!)

 

 

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こちらは表紙の一覧です。

創刊号の表紙は、輪になって遊ぶ子どもたちの「写真」でした。

第12号からは画家の方々が表紙を描くようになり、

現在の100%ORANGEさんで26人目。

初めは毎号違う描き手でしたが、

16号からはひとりの画家の方が年間を通して描いています。

表紙の絵の雰囲気だけでもその時代が見えてくるような気がしませんか?

ちなみに最長記録は安野光雅さんの9年間だそうです!

 

 

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こちらが9月初旬に発売された最新号です。

特集は「こどもが風邪をひいたら」。

お母さん小児科医の森戸やすみさんに聞く

風邪をひいた場合の対処方法や、

小児科医院に併設する形で病児保育施設を運営している、

小児科医の保坂篤人さんに聞く、病児保育の仕組みや考え方について、

また、外国では子どもが風邪をひいた場合はどうしているのかなど、

特にこれからの季節にぜひとも知っておきたいテーマが組まれています。

「病児保育ってこんなところなのか!」

「外国と日本で風邪の捉え方はこんなにも違うのか!」など、

視野が広くなり、知識が深まります。

 

他にも『やこうれっしゃ』の西村繁男さんの絵本への思いや、

吉本ばななさんの母エッセイ、

ある幼稚園の一コマを綴った園だより、

ほっこり和む子育てまんがエッセイ、

読者のお母さま方からの体験談など、

大充実の1冊です。

 

 

また、「母の友」からは多くの本も誕生しています。

創刊時に「こどもに聞かせる一日一話」という

お話のページをメインにすえていた「母の友」は、

のちに月刊物語絵本「こどものとも」を生み出し、

さらに『ぐりとぐら』『ばばばあちゃん』『いやいやえん』『魔女の宅急便』など、

今でも読み継がれる多くの名作を生み出しました。

そして「母の友」に掲載された連載や特集からも、

多くの子育ての本が生まれました。

それがこちらです。

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優しくも読むと親として背筋がシャンとする本ばかりです。

 

 

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ははがうまれる』(宮地尚子)もそんな1冊。

お母さんの存在をまっすぐに受け止めてくれる本です。

10月中旬には、横浜にある小さな幼稚園「りんごの木」代表で、

絵本『けんかのきもち』の著者としても知られる柴田愛子さんの

過去の連載が1冊にまとまった新しい本も発売されます。

これも楽しみですね。

 

 

子育ての知恵がつまった「母の友」。

5年前の2012年から現在までの

選りすぐりのバックナンバーをご用意しました。

過去1年間に関しては全てのバックナンバーがそろっています。

古いものは在庫限りとなります。

 

様々なテーマで綴られる子育ての話が

自分の子育てのヒントになったり、

異なる考え方や新たな発見で視野が広がったり、

同じ思いを持つおかあさんの言葉に共感したりと、

読んでいると自分の子育てを優しく励まされ、

子育てへの活力が湧いてくるようです。

まさに「母」の「友」。

 

あなたの子育ての友となる1冊を探してみませんか?

広告のない雑誌なので価格がお手頃なのも嬉しいところです。

ぜひお手に取ってごゆっくりお楽しみください。

 

 

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■「母の友」フェア

日程:2016年9月21日(水)〜10月中旬頃

場所:恵文社バンビオ店

 

 

(津村)

【絵本の棚より】「秋の絵本」と「おじいちゃんの絵本とおばあちゃんの絵本」フェア開催中

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夏休みが終わって8月が過ぎ、気がついたらもう9月。

徐々に日が短くなってきました。

夜には虫の声も聞こえます。

道で落ち葉を目にするようになりました。

そこかしこに秋の気配。

秋が近づいてきました。

 

当店絵本フロアも「秋」モードに変身!

「お月さま」「どんぐり」「葉っぱ」「森」「虫」「おいも」「遠足」「運動会」など、秋を感じる絵本を集めています。

秋の夜長にゆっくりたのしめる、味わい深いおはなしが多い秋の絵本たち。

以下ほんの一部ですが、

秋の絵本から「お月さま」の絵本をご紹介させていただきます。

今年の中秋の名月は9月15日だそうです。

月のキレイな季節に楽しめる絵本、ぜひご覧ください。

 

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 『おつきさま こんばんは』
林明子 作・絵
福音館書店

静かな夜の空。屋根の上が明るくなって、しだいに金色に輝く丸いお月さまがでてきました。「お月さまこんばんは」。ところがそこに黒い雲やってきて、お月さまを隠してしまいます。でもだいじょうぶ。黒い雲は少しお月さまと話をして、また去って行きました。ふたたびあらわれたお月さま、にっこり笑顔で「こんばんは」。 まるで話かけてくるようなお月さまのやさしい表情。思わずにっこりしてしまいます。裏表紙の「あっかんべ」の表情もいい!小さなお子さまから楽しめる、優しく明るいお月さまの絵本です。

 

 

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『月へミルクをとりにいったねこ』

アルフレッド・スメードベルイ 作/垂石眞子 絵/菱木晃子 訳

 福音館書店 

こねこたちのために、ミルクを求めて月に向かうおかあさんねこのおはなしです。おかあさんねこと4匹の子ねこが住んでいる農家の牛の乳が出なくなってしまいました。困り果てたかあさんねこに、犬がミルクのある場所を教えてくれるのですが、それはなんと月!月でおじいさんとおばあさんが運んでいる桶の中身が、ミルクだと言うのです。かあさんねこは月を追いかけます。途中、ぶたやおんどり、こうしも一緒に行くことになりますが、みんな途中であきらめて帰ってしまいます。しかしかあさんねこはあきらめずどこまでも月を追いかけます。そして...! 母強し!ドキドキワクワクの物語を楽しめる絵本です。テンポのいい文章と躍動感のある絵が物語のおもしろさをいっそう魅力的にしており、クスっとしながらもその物語の世界に入り込んでしまいます。子育て中の方はおかあさんねこの言葉に感心させられる部分も。親子で楽しみ、読んだ後は温かい気持ちになる絵本です。ちなみに日本では月にはお餅をついているうさぎがいるといわれていますが、北ヨーロッパでは水を運ぶ男女がいるといわれているそうです。

 

  

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『おつきさまこっちむいて』

片山令子 文/片山健 絵

福音館書店

「おつきさま どうしてぼくについてくるの?」。子どもの素朴な疑問が温かいストーリーになった絵本です。「おつきさま、こっちむいて!」。男の子がいろんな形の月といろんなところで出会います。あっちをむいていた三日月がだんだん姿をかえ、やがてまんまるの満月になります。 そらに見つけたおつきさま。ほそいほそいおつきさま。ねむたそうなおつきさま。顔をあらったみたいなおつきさま。 月が生活の一コマ一コマにいつも自然にいて、その表情も状況によってさまざまだということに気づかされます。元々は福音館書店の月刊誌「ちいさなかがくのとも」として発売されました。お月さまについて知ることができつつも、月とその男の子と家族の温かく優しいストーリーも魅力的な絵本です。優しい気持ちで夜の月を見上げたくなる1冊です。

 

 

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『お月さまってどんなあじ』

マイケル・グレイニエツ 作・絵/いずみちほこ 訳

らんか社 

お月さまってどんなあじなんだろう。そんな素朴な疑問を抱いていた動物たち。ある日小さなカメが高い山の上に登ってお月さまをかじってみようと決心します。山のてっぺんに着いたカメは、まだお月さまに届かないことに気づき、ゾウを呼びます。ゾウがカメの背中に乗り鼻を伸ばすと、お月さまはひょいっと上へ逃げました。そこでゾウはキリンを呼び、キリンがゾウの背中に乗り長い首を伸ばしますが、お月さまはひょいっとまた上へ逃げてしまいます。お月さまを一口かじってみたいという動物たちが次々に自分の背中に他の動物をのせていき、そしてとうとう…。 やさしい雰囲気の文章と質感のある絵が美しく目を引く絵本。繰り返しのリズムが楽しく、最後の言葉からみんなでお月さまの味への想像が広がります。小さな子から大人まで楽しめる優しく和やかな絵本です。

 

 

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『ぽんぽん山の月』

あまんきみこ 作/渡辺洋二 絵

 文研出版

長岡京市在住のあまんきみこさんによる、十五夜に読みたい絵本です。猟師に撃たれてしまったとも知らず、山の上で4匹の子うさぎ達が母さんうさぎを待っています。大きな月が登り、子うさぎ達の目に月の中のうさぎの姿が写ります。それがお母さんうさぎだと思ったうさぎ達は「おりてきてよう」「おなかすいたよう」と叫びます。そんな様子を木の陰からはずかしがりやの山んばが見ていました。「かわいそうに」。山んばは自分がやっとの思いで買ったおだんごを、そっと置いて立ち去ります。そしてそれを見ていた風の子は...。 お月さまのもと、ぼんぼん山でくり広げられる悲しく切なくも優しく温かいおはなしです。優しいやまんばと、温かな文章、情景が目に浮かぶような美しい絵が印象的で、読んだ後はジーンと心に残ります。秋の夜長にお子さまと読んでほしい1冊です。

 

 

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『ぼく、お月さまとはなしたよ』

フランク・アッシュ 作・絵/山口文生 訳

評論社

ある夜、クマくんは空のお月さまを見上げて、お月さまにお誕生日の贈り物をあげたいなと思います。でもいつだろう?なにをあげたらいいかしら?そうだ、お月さまにきいてみよう!お月さまに話しかけても返事がないので、クマくんは川を渡り、森を抜け、山に登って叫んでみました。「こんばんは!」。すると「こんばんは!」。「たんじょう日、いつですか?」。すると「たんじょう日、いつですか?」。お月さまはクマくんが言ったとおりに答えますが...。 実はお月さまの声の正体は「やまびこ」。どうなることかとハラハラするストーリーも、うまく進むんです!一生懸命なクマくんがなんともかわいらしく、微笑ましい絵本。誕生日プレゼントにもよさそうな1冊です。

 

 

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『つきのぼうや』

イブ・スパング・オルセン 作・絵/やのうちきよこ 訳

 福音館書店

 縦35cm、横13cmの楽しいのっぽ絵本です。おつきさまがふと下を見ると、池にもうひとりのおつきさまが映っています。おつきさまはそれが気になって、つきのぼうやにそのつきをつれてきてくれるように頼みます。つきのぼうやは空からずーっと降りてきてもうひとりのおつきさまを探します。雲を通り抜け、鳥の群れを抜け、木の間をくぐり、煙の中を通り抜け、家の前を通って船着場から海の底までたどり着きます。さて、つきのぼうやが持って帰ったちいさなつきとは...? 縦長の形を存分にいかして、つきのぼうやが空からおりてくる様子が活き活きと描かれている楽しい絵本です。空からおりてくる男の子の冒険をみんなで楽しめる1冊です。

 

 

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『パパ、お月さまとって!』

エリック・カール 作絵/もりひさし 訳

偕成社

絵本の魔術師とよばれるエリック・カールの色彩豊かなしかけ絵本です。ある晩、モニカがベッドにいこうとすると、窓からお月さまがとても近くにみえました。「パパ、お月さまとって!」。娘に月をせがまれてパパは、ながーいながいはしごを持ってきて、たかーいたかい山のてっぺんにはしごを立ててお月さまへとのぼっていきます...。 空の高さや月の満ち欠けを表現するために、絵本の画面が左右上下に開くというびっくりのしかけ。パパがもってきたながーいながいはしごは横に4ページ分、たかーい山に登るところは縦に2ページ分、そして大きなお月さまは縦横4ページ分のジャンボサイズで登場します。スケールの大きなしかけにみんな喜ぶこと間違いなし。月の満ち欠けを学ぶこともできます。しかけだけでなく、その物語はお父さんの優しさにあふれており、ぜひお父さんと一緒によんでほしい1冊です。ちなみに小型サイズのポートブックもあります。

 
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いかがでしたでしょうか?
十五夜の夜に月を見ながら、ゆったりと「お月さま」の絵本をお楽しみ下さい。
 
 
そして、9月といえばもうすぐ「敬老の日」。
こちらのコーナーには「おじいちゃんの絵本とおばあちゃんの絵本」を集めました。
優しくて、切なくて、たくましくて、おもしろい、
たくさんのおじいちゃんとおばあちゃんの物語。
家族みんなで楽しめるおじいちゃんとおばあちゃんの絵本、
こちらもぜひお楽しみください。 

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秋の世界を味わえるこれらの絵本。
ゆったりとした時間の中でじっくり読みたくなるおはなしが多いように感じます。
お気に入りの1冊を見つけてみてくださいね。

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(津村)
 

「夏のホラー」フェア開催中です

こんにちは。

8月も下旬となりましたが、日に日に暑さが増しているような気がします。

だんだん秋の気配が近づきつつはありますが、京都は9月いっぱいまで蒸し暑さが続きますよね。

バンビオ店では湿気た熱気を払うような、ヒヤッとした「夏のホラー」フェアを開催しております。

ホラーに限らずミステリー・SFのなど様々なジャンルの「こわい!」を集めた棚です。

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店頭には、フェア書籍の怖さの度合いとジャンル(ホラーとミステリー)で簡単な散布図を作成して貼ってあります。自分にぴったりな、ゾクッと怖い小説を見つけに来てくださいね。

 

以下、フェアのほんの一部の作品をご紹介いたします。

 

『かにみそ』(倉狩聡 / KADOKAWA)

無気力な主人公の男性「私」はある日小さな蟹を拾うことに。人の言葉を話し、なんでも食べる奇妙な蟹との共同生活が始まる。蟹の餌代の為に働き始めた私はある日、職場でできたガールフレンドを殺してしまった。なんでも食べる蟹・・・人間の肉。蟹と人間、餌と捕食者の立場の逆転、その間に生まれる恐怖と不思議な友情のお話。第20回日本ホラー小説大賞優秀賞受賞、話題をさらった泣けるホラー小説。

 

『きつねのはなし』(森見登美彦 / 新潮社)

『夜は短し歩けよ乙女』や『四畳半神話体系』の森見登美彦氏の、他の作品とは一味異なる短編集。単にホラーというより奇妙で妖しく、舞台である京都の暗闇にひたりと浸したような、静かで妖しい一冊。表題作である「きつねのはなし」は、青年がケモノと出会い、魔に魅せられていく様子が恐ろしい。

 

『儚い羊たちの祝宴』(米澤穂信 / 新潮社)

ミステリ作家の米澤穂信氏による暗黒ミステリ。ミステリ小説としてではなくホラー小説としてご紹介したい、ゾクッとする作品です。読書サークル「バベルの会」をキーワードに邪悪な5つの事件が巻き起こる。ラスト一文の衝撃、鮮やかな伏線回収、恐怖がヒヤリと胸を貫く心地がやみつきになるような、怖さと美しさの一冊。

 

 

 『夏のホラー』フェア
期間:8月20日(土)~
場所:店内正面書籍棚フェアコーナー
 

 

( 板東 )