「夏のホラー」フェア開催中です

こんにちは。

8月も下旬となりましたが、日に日に暑さが増しているような気がします。

だんだん秋の気配が近づきつつはありますが、京都は9月いっぱいまで蒸し暑さが続きますよね。

バンビオ店では湿気た熱気を払うような、ヒヤッとした「夏のホラー」フェアを開催しております。

ホラーに限らずミステリー・SFのなど様々なジャンルの「こわい!」を集めた棚です。

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店頭には、フェア書籍の怖さの度合いとジャンル(ホラーとミステリー)で簡単な散布図を作成して貼ってあります。自分にぴったりな、ゾクッと怖い小説を見つけに来てくださいね。

 

以下、フェアのほんの一部の作品をご紹介いたします。

 

『かにみそ』(倉狩聡 / KADOKAWA)

無気力な主人公の男性「私」はある日小さな蟹を拾うことに。人の言葉を話し、なんでも食べる奇妙な蟹との共同生活が始まる。蟹の餌代の為に働き始めた私はある日、職場でできたガールフレンドを殺してしまった。なんでも食べる蟹・・・人間の肉。蟹と人間、餌と捕食者の立場の逆転、その間に生まれる恐怖と不思議な友情のお話。第20回日本ホラー小説大賞優秀賞受賞、話題をさらった泣けるホラー小説。

 

『きつねのはなし』(森見登美彦 / 新潮社)

『夜は短し歩けよ乙女』や『四畳半神話体系』の森見登美彦氏の、他の作品とは一味異なる短編集。単にホラーというより奇妙で妖しく、舞台である京都の暗闇にひたりと浸したような、静かで妖しい一冊。表題作である「きつねのはなし」は、青年がケモノと出会い、魔に魅せられていく様子が恐ろしい。

 

『儚い羊たちの祝宴』(米澤穂信 / 新潮社)

ミステリ作家の米澤穂信氏による暗黒ミステリ。ミステリ小説としてではなくホラー小説としてご紹介したい、ゾクッとする作品です。読書サークル「バベルの会」をキーワードに邪悪な5つの事件が巻き起こる。ラスト一文の衝撃、鮮やかな伏線回収、恐怖がヒヤリと胸を貫く心地がやみつきになるような、怖さと美しさの一冊。

 

 

 『夏のホラー』フェア
期間:8月20日(土)~
場所:店内正面書籍棚フェアコーナー
 

 

( 板東 )

 

 

 

 

 

【絵本の棚より】「夏の絵本」「夏休みの本」のフェア開催中です

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f:id:keibunshabanbio:20160716105733j:plain太陽が眩しい夏の日々。皆様いかがお過ごしでしょうか? 

本日から3連休。子どもたちはもうすぐ夏休み。たくさん遊んでたくさんお出かけして、夏はワクワクすることが多い季節ですね。楽しいことに気持ちが向いてテンションがあがり、心もなんとなく晴れやかな今日この頃です。

 夏と言えばみなさんは何を想像しますか?「海」「ふね」「すいか」「冒険」「おばけ」「昆虫」、そして「夏休みの宿題」・・・などなど。当店の児童書コーナーも夏仕様に大変身。親子で夏を楽しむ絵本を集めています。カラッと明るく楽しい爽やかな物語が多い夏の絵本。以下、ほんの一部ですがご紹介させていただきます。

 

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『なつのいちにち』
(はたこうしろう 作・絵/偕成社)
夢中で遊ぶ子どもの夏の1日を、臨場感たっぷりに描いた絵本です。暑い暑い夏の日、クワガタムシのいる山をめざしてぼくは走ります。真っ白な日ざし、青い草のにおい、響き渡る蝉の声、麦わら帽子をかぶって走る少年...。おはなしはシンプルですが、ページの構図や絵の雰囲気、少ない文章がその世界観を効果的に表しており、ページをめくるごとに夏の空気が溢れ出し、夏の世界を全身で感じられる絵本です。子どもはこれからくる夏の日々にワクワクし、大人は記憶の中の夏にどこかノスタルジックな気分になる、親子一緒にじっくり読める1冊です。
 
 

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『トマトさん』
(田中清代 作・絵/福音館書店)
夏の野菜といえばトマト。図体の大きい真っ赤に熟れた「トマトさん」のお話です。ある暑い夏の日。トマトさんは川に泳ぎに行きたくなります。ミニトマト達がぽっちゃんぽっちゃん気持ち良さそうに飛び込んでいく音が聞こえるのです。しかし、体の重いトマトさんは動けません。じりじりと地面から伝わる暑さが身に応えます。すると、畑の虫達があちらこちらから出てきてトマトさんの為に……。水の中に入った時のトマトさんがとても気持良さそうで、こちらまで水にじゃっぽーんと飛び込みたくなる爽快な絵本。表紙の憂いをおびたトマトさんのインパク大の顔からもお察しの通り、ページをめくる度に表情豊かなトマトさんにくぎ付けになること間違いなしです。暑い夏にみんなで楽しめる絵本です。

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『ジャック船長とちびっこかいぞく』
(ピーター・ベントリー 作/ヘレン・オクセンバリー 絵/山下明生 訳/BL出版)
6月に発売されたばかり絵本です。この絵本、男の子はきっと大好きだと思います。ジャックとザックとカスパーは、ゆうかんなちびっこかいぞく。すなでつくったかいぞく船にシャツのセイルと、よだれかけのはたをかかげて、さあしゅっぱつ!元気いっぱいの男の子たちが、想像の海にのりだします。とどまることを知らないごっこ遊びの想像の世界。パパ&ママ海賊につかまってしまうというラストもくすっと笑えて、子どもはきっと夢中に、大人は優しい笑顔になる1冊です。オクセンバリーの美しくあたたかみのある絵も親しみがわきます。
 
 

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『めっきらもっきらどおんどん』
(長谷川摂子 作/降矢なな 絵/福音館書店) 
個性的で愛らしいおばけがでてくる夏の冒険のおはなしです。遊ぶ友だちを求めてお社にやってきたかんた。しかし誰もおらず、しゃくなので大声でめちゃくちゃの歌を歌います。すると穴から大声が聞こえ、覗き込んだそかんたはその穴に吸い込まれてしまいます。そこにいたのはおばけの3人組。かんたはおばけたちと遊びますが、遊びつかれておばけたちが眠ってしまうと、かんたは心細くなって思わず「お・か・あ・・・」と叫びます。その途端、かんたは光の渦に吸い込まれて・・・。リズムのよいシンプルな文と、スピード感のある展開が魅力的な絵本。不思議の世界を満喫して、ちょっとさびしくなり、お母さんのことを思い出したところで現実の世界に戻ってくるという、ファンタジーの王道のような絵本です。夏の冒険心をくすぐる親子で読みたい名作です。
 
 

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『おばけなんてないさ』
(せなけいこ 作/中川 千代子 絵/ポプラ社)
夏といえばおばけ。おばけといえばせなけいこさん。みんな大好きな『おばけなんてないさ』の歌が絵本になった1冊です。文がほぼ「おばけなんてないさ」の歌詞になっており、おなじみのせなさんのユーモア溢れる切り絵のおばけたちが、生き生きと歌って踊ります。小さい子も大きい子も、子どもたちみんなが喜ぶ、みんなで大合唱して楽しめる絵本です。
 
 

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『ベンジーのふねのたび』
(マーガレット・ブロイ・グレアム 作・絵/わたなべしげお 訳/福音館書店)
『どろんこハリー』の作者による、愛らしい犬のベンジーの冒険のおはなしです。ベンジーは耳が長くてしっぽの短い、茶色の犬です。毎年夏の家族旅行を楽しみにしていましたが、今年の夏の船旅には連れていってもらえません。動物は船に乗れないのです。みんながでかけたあと、しょぼくれていたベンジーでしたが、港でうちの人たちが乗ったのとそっくりの船を見かけて、急いで乗り込みます。けれども、それは家族とは別の船。思わぬことからベンジーの船の旅がはじまります。ベンジーと一緒に「ドキドキ」「ワクワク」最後は「ほっ」と、自分も冒険をしている気分になれる1冊です。読んだ後はきっと冒険の旅にでたくなるはず。
 
 

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『はじめてのキャンプ』
(林明子 作・絵/福音館書店)
大きな子どもたちにまじって、はじめてキャンプの一晩をすごす小さな女の子の物語。なほちゃんは、大きい子たちにまざって、ひとりでキャンプに行きたいといいました。みんなは口ぐちに「小さい子にはできないよ!」といいます。なほちゃんは大きい子たちに負けまいと、重い荷物もひとりで背負い、まきを集め、懸命にがんばります。おいしいごはんを食べて、一日が楽しく過ぎていきます。夜、テントでこわいお話をききますが、なほちゃんはひとりでおしっこに行くことができました。「ちゃんと キャンプできたよ!」。気持ちのたかぶりや不安、そして勇気などが、ユーモラスに、表情豊かに描かれています。絵本から幼年童話への入り口にもピッタリ。林明子さんの描くシンプルながらも印象的な色づかい、夜の表現等にも注目です。夏になると必ず読みたくなる、個人的にも大好きな1冊です。 

 

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『なみ』
(スージー・リー 作・絵/講談社)
 小さな女の子と波との追いかけっこを、青・白・黒の絵だけで描いた文字のない絵本です。寄せてははかえす波と夢中で遊ぶ女の子の様子が、実に生き生きと描かれており、文字がなくても物語が手に取るように伝わってきます。波の音が聞こえてきそうなほどの臨場感。まさに絵を読む絵本。何度も繰り返し読みたくなる、五感で夏を感じられる爽やかな1冊です。
 
 
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いかがでしたでしょうか?
お子さんとゆっくりじっくりたくさんの夏絵本を楽しんでいただければと思います。
 
 
 そしてまた、子どもにとっての夏といえば「自由研究」「工作」の季節。こちらのテーブルには夏休みの宿題のヒントになりそうな絵本や本、図鑑等を集めました。星や宇宙、科学など、王道の自由研究のネタはもちろん、変わったおもしろ工作や切り絵、ペーパークラフト、実験の本なども勢揃い。困ったときの自由研究キッドなんてのもあります。何にしようか今から考えてとことん楽しんでみるのもよさそう。お父さんお母さんと一緒にする研究&工作は夏のいい思い出になりそうです。自分だけのおもしろいもの見つけてみてください。

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そしてもうひとつ。夏休みの宿題で忘れちゃ行けないのが「読書感想文」。恒例の「課題図書」も多数入荷しています。毎年、人気の作品は早々に売り切れてしまう課題図書。既に品薄の本も出てきました。品切れになると後から入手するのは難しくなりますので、お早めにご検討いただくことをお勧めします!「おはなしを絵にするコンクール」の本もご用意していますので、こちらもどうぞ。

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見ているだけでワクワクしてくる夏の絵本、夏休みの絵本。絵本を置くテーブルが足りなくなるくらい盛り沢山な内容です。ぜひお手にとってゆっくりご覧いただき、お気に入りの1冊をみつけてください。 
お待ちしております!!
 
 
(津村)
 

『天使園』原画展のご案内

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7月4日(月)から7月24日(日)まで
函館のトラピスチヌ修道院の暮らしを描いたスケッチ集『天使園  「祈り、働け」の日々』の原画展を開催しています。

50年ほど前に、ひとりの修道女によって描かれ、丁寧に色鉛筆で色付けされたスケッチです。ぜひ原画でご覧ください。

外に出ることの許されない修道院の生活ですが、描かれている労働の様子はとても牧歌的で楽しげです。北海道の広大な景色の中で牛を連れて散歩に出かけたり、畑仕事に勤しんだり、みんなでトラクターに乗り込んだり、木に登って大根を干したり(!?)同じ服装の小さな人たちは、かわいくて、まるで絵本『マドレーヌ』のよう。 

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 緻密に描かれた建物の美しさにも目を惹かれます。

原画の中にはプリントされたものやトレーシングペーパーに描かれたものもあります。スケッチを描いた修道女が人に贈るために、コピーをして冊子を作ったり、手で書き写したりしたものだそうです。


装丁は北海道出身のアートディレクター葛西薫さんの手によるもの。シンプルでありながらあたたかみのある素敵な本です。

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 原画展に合わせて函館から修道院のお菓子マダレナとクッキー、草木染めのハンカチやラブリーな天使人形なんかも送っていただいて販売しています。ルバーブのジャムは売り切れですが、ハスカップのジャムがもうすぐ届きます。数に限りがあるので、ご希望の方はお早めにご来店ください。

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 『天使園  「祈り、働け」の日々』原画展
恵文社バンビオ店にて
2016.7.4 - 7.24