2016年7月 月間売上ランキング

f:id:keibunshabanbio:20160802012853j:plain

1    村上海賊の娘 第1巻(和田竜/新潮文庫)

2  陸王(池井戸潤/集英社)

3  村上海賊の娘 第2巻(和田竜/新潮文庫)

4  さかさ町(F.エマーソン・アンドリュース 作/ルイス・スロボドキン 絵/

            小宮 由 訳/岩波書店)

5  死神の浮力(伊坂幸太郎/文春文庫)

6  ひみつのきもちぎんこう(藤本美郷/金の星社)

7  どんなに体がかたい人でもベターッと開脚できるようになるすごい方法

   (Eiko/サンマーク出版)

8  コンビニ人間(村田沙耶香/文藝春秋)

9  ねないこはわたし(せなけいこ/文藝春秋)

10 血流がすべて解決する(堀江昭佳/サンマーク出版)

 

(集計期間 2016/7/1-7/31)

 

 

 当店7月の売上ランキングは、以上のような結果となりました。

 

 1位と3位にランクインしたのは『村上海賊の娘』

2014年の本屋大賞に選ばれ、吉川英治文学新人賞も受賞した和田竜さんのベストセラーが文庫になりました。戦国時代に瀬戸内海を席巻した「海賊王」村上武吉の娘・景が、信長に追い詰められて窮地に陥った本願寺を救うために、戦いに身を投じていく姿を描いた長編歴史小説です。全部で1000ページを超える超大作ですが、個性的で魅力的な登場人物やテンポのいいストーリー展開で読みやすく、エンターテイメントとして楽しめる歴史小説です。6月下旬に1、2巻が発売され、7月下旬には3、4巻が発売となりました。この夏休みに4冊まとめて読んでみては?

f:id:keibunshabanbio:20160802012952j:plain

 

 4位は『さかさ町』

リッキーとアンは、おじいちゃんの家にむかう汽車の旅の途中、思いがけず見知らぬ町で一泊することになりました。そこは「さかさ町」。建物も看板も上下ひっくりかえっていて、ホテルや病院、学校での常識も、野球の試合や買い物のルールも、いちいち普通とは反対です。おどろきと発見がいっぱいの、ゆかいな空想物語です。

 

 5位は『ひみつのきもちぎんこう』

ある日ゆうたは、手紙にかかれていた地図をたよりに、ひみつの場所をたずねます。そこはきもちをあずかる、ひみつのきもちぎんこう。ジャリーン!チャリーン!ジャリーン!チャリーン!つぎつぎといろんなきもちが入ってきます。きもちつうちょうがいっぱいになるとどうなっちゃうの!? 

 

 青少年読書感想文全国コンクールの課題図書から上記2作がランクインとなりました。夏休みの宿題といえば読書感想文。みなさんはもう読みましたか?課題図書だからとあなどることなかれ。大人が読んでも楽しめる作品も多数あります。当店では、低学年は『ひみつのきもちぎんこう』、中学年は『さかさ町』、高学年は『ワンダー』が今のところ人気のようです。毎年人気の作品は早々に売り切れてしまい、既に品薄や品切れの商品もあります。まだの方はぜひ「これっ」という作品を見つけてみてください。どうぞお早めに!

f:id:keibunshabanbio:20160802013312j:plain

f:id:keibunshabanbio:20160802013328j:plain

 

 8位は『コンビニ人間』

 先日発表された2016年上半期の芥川賞を受賞したこちらの作品が,7月27日発売にもかかわらず7月のランキングに食い込んできました。主人公は36歳未婚女性。就職せず、結婚もせず、コンビニのバイトは18年目。日々食べるのはコンビニ食。夢の中でもコンビニのレジを打ち、清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ」の掛け声が、毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。仕事も家庭もある同窓生たちからどんなに不思議がられても、 完璧なマニュアルの存在するコンビニこそが 私を正常にする。マニュアル社会、SNS社会のリアルな描写にゾクゾクしながら、「普通」とは、「正常」とはなんなのかを考えさせられる、今の時代の物語です。入荷しては売り切れてしまう状態で、多くの方に手に取っていただいています。直木賞を受賞した家族の物語『海の見える理髪店』も入荷していますので、こちらもあわせてどうぞ。 

f:id:keibunshabanbio:20160802014833j:plain

 

 9位は『ねないこはわたし』

誰もが見覚えのあるこのおばけ。名作絵本『ねないこだれだ』のせなけいこさんによる自伝的絵本が9位にランクイン。デビュー作4冊の『にんじん』『いやだいやだ』『もじゃもじゃ』『ねないこだれだ』を入り口に、その独特の世界、画風、文体やアイデアの源泉、そして本と絵への愛情を綴っています。また、貴重な貼り絵の原画写真が多数掲載されているのも見所。何気ない子どもの表情まで丁寧に細かく表現されたその原画からは、せなさんがどれだけの視線を子どもに注いでいるのかが伝わってくるようです。せなワールドをたっぷり楽しめる素敵な1冊。大人も子どももぜひどうぞ。

f:id:keibunshabanbio:20160802013010j:plain

f:id:keibunshabanbio:20160802013115j:plain

 

 10位は『血流がすべて解決する』

「血流を増やして、心と体のすべての悩みを解決する方法」を書いた本。全身にある60兆個の細胞に酸素や栄養を届ける役割をもつ血液。さらに、幸せホルモンややる気ホルモンと呼ばれる脳内の神経伝達物質の働きも血液によって左右されるそうです。特に女性は、血が作れず不足しているため、血流がよくないという人がほとんどだとか。漢方薬剤師の堀江さんが、血をつくれるようにし、血を増やし、血流をよくしていくための食べ方や睡眠のとり方、生活習慣の改善方法を教えてくれます。どれも手軽に取り入れられるものばかりなので、チャレンジしやすそう。読んで納得の1冊です。

f:id:keibunshabanbio:20160802013153j:plain

 

 

以上、7月のランキングでした。

本格的夏休みモードに入る8月。今年はオリンピックもありますね。どんな作品がランクインするのでしょうか?次回のランキングもどうぞお楽しみに!!

 

(津村)

2016年6月 月間売上ランキング

f:id:keibunshabanbio:20160719033719j:plain

1    天才(石原慎太郎/ダイヤモンド社)

2  京都の凸凹を歩く(梅林秀行/青幻舎)

3  特捜本部(堂場瞬一/中公文庫)

4  パンダ銭湯(tuperatupera/絵本館)

5  希望荘(宮部みゆき/小学館)

6  鎌倉時代のサバイバル(イセケヌ/朝日新聞出版)

7  翻訳できない世界のことば(エラ・フラ/創元社)

8  熊楠の星の時間(中沢新一/講談社)

9  映画を撮りながら考えたこと(是枝裕和/ミシマ社)

10 もう親を捨てるしかない(島田裕巳/幻冬舎新書)

 

(集計期間 2016/6/1-6/30)

 

 当店6月の売上ランキングは、以上のような結果となりました。今月はバラエティに富んだなかなか興味深い結果となりました。

 

 1位は『天才』。

石原慎太郎さんが「田中角栄」の人生を一人称で書いた「田中角栄」の魅力溢れる1冊。なんと1月下旬に発売されてから、当店では毎月ランクインしているロングセラー作品となりました。参議院選挙が近かったこともこの結果に繋がった一因かもしれません。

f:id:keibunshabanbio:20160719033807j:plain

 

 文芸からは3位に堂島晙一さんの『特捜本部』、5位に宮部みゆきさんの『希望荘』がランクイン。夏にむけてミステリーやサスペンスを手に取るお客様が増えてきているようです。

f:id:keibunshabanbio:20160719033835j:plain

 

 4位は『パンダ銭湯』。

 「実はパンダ専用の銭湯があった!?あなたの知らないまさかのパンダの世界がここに!」・・・tuperatuperaさんの大人気の絵本『パンダ銭湯』がなぜかこの時期に突然ランクイン。暑くなってきたからでしょうか?「トットテレビ」のパンダの影響でしょうか?理由はわかりませんが、みなさんぜひご覧ください。衝撃的です。パンダが脱ぎます。服を。サングラスを。大人も子どももププっとハマる、暑い夏にぴったりの絵本です。

f:id:keibunshabanbio:20160719034014j:plain

f:id:keibunshabanbio:20160719034028j:plain

 

 7位は『翻訳できない世界のことば』。

 外国語のなかには、他の言語に訳すときに一言では言い表せないような各国固有の言葉が存在します。この「翻訳できない言葉」を世界中から集め、著者の感性豊かな解説と瀟洒なイラストを添えた世界一ユニークな単語集です。たとえば日本語であれば「ボケっと」「積ん読」「木漏れ日」「わびさび」などが掲載されています。日本人にとっては当たり前の言葉ですが、著者のみずみずしい感性によって、それらの言葉の内包する意味の広がりやドラマ性に焦点が当てられています。言葉の背景にある文化や歴史、そしてコミュニケーションの機微を楽しみながら探究できる1冊です。

f:id:keibunshabanbio:20160719033912j:plain

f:id:keibunshabanbio:20160719033953j:plain

 

 8位は『熊楠の星の時間』。

今年、南方熊楠賞を受賞した中沢新一さんによる新熊楠論。「星の時間」とは小説家ツヴァイクが名付けた「思考が真の天才の火花を散らし、人生が星の輝きに包まれる」時間のこと。那智の森に籠もり、生きているでも死んでいるでもない粘菌(きのこ)の研究から世界をみつめた熊楠。内容は難解なところもありますが、講演録ということもあり、手に取りやすい講談社選書メチエのシリーズからの1冊です。

f:id:keibunshabanbio:20160719033855j:plain

 

 9位は『映画を撮りながら考えたこと』。

映画監督、ドキュメンタリー演出家の是枝裕和さんが自ら全作品を振り返った決定版。構想8年というだけあって、400ページ超、ハードカバーの本なのですが、意外と持った感じが重たくないのが不思議です。まっすぐ突き進む是枝監督の魅力と、フィクションとノンフィクションの間のような作品の秘密がギュギュッと詰まっています。
ミシマ社のウェブでインタビューも公開中です( ↓ )。

http://www.mishimaga.com/special01/112.html

f:id:keibunshabanbio:20160719033903j:plain

 

 以上、6月のランキングでした。梅雨も空け本格的な夏の暑さがやってくる7月。子どもたちはお待ちかねの夏休みに突入です。暑い夏、どんな作品がランクインしているのでしょうか?次回のランキングもどうぞお楽しみに!!

 

(濱田/津村)

2016年2月 月間ランキング

f:id:keibunshabanbio:20160318025851j:plain

1     おやすみ、ロジャー(カール・ヨハン・フォルセン・エリーン/飛鳥新社)

2  七つの会議(池井戸潤/集英社文庫)   

3  天才(石原慎太郎/幻冬舎)

4  君の膵臓をたべたい(住野よる/双葉社)   

5  姉と弟(佐伯泰英/文春文庫)

6  つまをめとらば(青山文平/文藝春秋)

7  嫌われる勇気(岸見一郎/ダイヤモンド社)

8  フランス人は10着しか服を持たない2(ジェニファー・L.スコット/大和書房)

9  また、同じ夢を見ていた(住野よる/双葉社)

10 つくおき(nozomi/光文社)

 

(集計期間 2016/2/1-2/29)

  

 

当店2月のランキングは以上の結果となりました。

 

 1位は『おやすみ、ロジャー』。お母さんのための寝かしつけお助けアイテム本。読み聞かせることでお子さんを眠りに誘う効果があるそうです。なかなか寝ない子どもの寝かしつけは本当に大変ですよね・・・。テレビで紹介された影響もありますが、世の中はこんなに寝かしつけに苦労しているのか!としみじみ感じました。個人的にはお子さんと一緒に楽しめる絵本をそばにおいてほしいなあと思いますが、お疲れの時やストレスでいっぱいの時にはお母さんとお子さんのためのいいアイテムになりそうですね。

 

 文芸からは、2位に『七つの会議』、4位に『君の膵臓をたべたい』、5位に『姉と弟』、6位に『つまをめとらば』、9位に『また、同じ夢を見ていた』と5作品がランクイン。ランキングの半分を文芸が占める結果となりました。池井戸潤さんや佐伯泰英さんなど当店ではおなじみの顔ぶれの中、6位には直木賞を受賞した青山文平さんの『つまをめとらば』がランクイン。そして注目は4位と9位の住野よるさん。2月に発売された『また、同じ夢を見ていた』と、昨年6月に発売された『君の膵臓をたべたい』の2作品がランクインとなりました。本屋大賞にもノミネートされている『君の膵臓をたべたい』。これだけ泣けると言われている中、「絶対泣くもんか」と気合いを入れて読み始めた当店スタッフも、まんまと泣かされたそうです。まだの方はぜひ。読み終わった最後にタイトルの意味がわかります。

f:id:keibunshabanbio:20160318025945j:plain

 

 3位は『天才』。

 反田中だった石原慎太郎さんが、『天才』というタイトルで田中角栄の人生を一人称で書いた話題作が3位に。幼少期から政界入り、角福戦争やロッキード事件の内幕、家族との軋轢までが、すべて田中角栄目線で描かれています。こんな人が今の時代に現れてくれたらと思わずにはいられない、田中角栄の魅力が溢れる1冊です。石原慎太郎さんの歯に絹着せぬ物言いがまた効果的です。

 

 7位は『嫌われる勇気』。

 NHK「100分de名著」の特集を受けてベストセラーのこちらがこの時期に再びランクインとなりました。2月には続編の『幸せになる勇気』も発売されています。心理学の三大巨頭」のひとり、アルフレッド・アドラーの思想を、青年と哲人の対話という物語形式でまとめた1冊です。「どうすれば人は幸せに生きることができるか」という哲学的な問いに、シンプルにそして具体的に答えます。メモらずには読めない、これからの人生に大きな影響を与えるかもしれない1冊です。

 

 8位は『フランス人は10着しか服を持たない2』。

 ご存知のベストセラー『フランス人は10着しか服を持たない』の続編です。前回のパリで学んだミニマムな暮らしを、カリフォルニアの自分の家で実践した著者が、毎日を特別な日のように過ごす方法を教えてくれます。今回も自分の暮らしを見直し、シンプルに生きるヒントをくれる内容となっています。

 

 10位は『つくおき』。

 いまや定番となった作り置き。こちらはSEという忙しい職につきながらほぼ毎日の自炊とお弁当生活をこなす著者nozomiさんのブログから生まれた1冊。特別な道具は全く使わず、ふたくちコンロ、大小のなべとフライパン、レンジとオーブンだけで、週末に1週間分のおかずをまとめて作り置きできるレシピが、150分で14品というから驚き!さらに買い物、料理の流れ、平行調理のコツまで満載です。写真がたっぷりでとても見やすいのも特徴です。忙しい人のつよーい味方となるレシピです。

 

 

 以上、2月のランキングでした。あたらしい出会いや別れなど、何かと変化のある季節、春。3月はいったいどんな作品がランクインしているのでしょうか。来月のランキングもどうぞお楽しみに!

 

 

(津村)