バンビオのお店便り 8月第2週
早いもので、暦の上ではもう立秋、秋になりました。
そういえば、トンボがすいすい空を飛び交っているのを見かけました。
とはいえ、真昼を過ぎると入道雲が黙々と現れ、激しい夕立が降り、ジメッとした蒸し暑さを感じると、心地よい秋はまだ遠く感じます。
今週はお盆期間に入り、いつもより閉店時間が早くなっております。8月11日より15日まで、夜は20時までの営業とさせていただきます。
今週の本棚より
『柑橘料理の本』 オーバーラップ
『畑生まれのおもてなし寿司 SUSHI MODOKI』 グラフィック社
夏は食欲がなくなる季節なのですが、お料理の本は色々知恵を絞って、美味しそうな特集のご本を作られております。個人的に檸檬大好き!なので、柑橘料理の本は美味しそうで、作ってみたくなります。
夏の料理といえば
アジアごはんの特集も気になりますよね。アジアはベトナムとインドと韓国しか行った事がありませんが、どこも本場の料理は美味しかったです。辛いけど...作るとなると、ニョクマムにするかナンプラーにするか。調味料いろいろ揃えないといけないので迷いますが、それも楽しみのひとつかも。
うーん、旅に出たくなりますね。そんな方にはこちらは如何でしょうか。
バンビオ店入ってすぐのコーナーで、冒険の特集をしております。小学生の頃なぜ秘密基地を作りたくなったのか、いまだ不明です。
わんぱくでもいい、たくましく育ってほしい(昔のCMのキャッチですが)お子様をお持ちの方、ぜひご覧いただければ嬉しいです。タンタンの冒険、全シリーズ読みたくなりました。
最後に
『私の暮らしかた』大貫妙子
音楽のコーナーにありますが、とても素敵な内容のエッセイです。白いワンピースが大貫さんらしいですね。何か読んでみようかな、という時に、手に取ってみてください。
それでは。また。
バンビオ店 星山
たくさんのふしぎ9月号『アリになった数学者』フェア開催中
たくさんのふしぎ9月号は、当店の姉妹店恵文社一乗寺店で3ヶ月に1回ブックトークを開催してくださっている、独立研究者の森田真生さんによる『アリになった数学者』です。絵を担当されたのはマリメッコやSOUSOUなどのテキスタイルデザイナー、絵本作家でもある脇阪克二さん。
ある日、アリになった数学者がアリの目線で世界をみつめる物語です。
「人間ではない生きものたちに、はたして数学は通じるのだろうか。」
この世に実在しない数字というものはいったいなんなのか、そんな問いをはじまりに一歩ずつ世界のひみつに近付いていきます。
今回パネルの展示と一緒に著者の森田真生さんにご紹介いただいた本も置いています。
生きものたちの知覚と行動を知るうえで重要な科学の古典『生物から見た世界』
「1とは何か?」という問いに、人生をかけて取り組んだ数学者フレーゲの『算術の基礎』
絵本を書く際に、アリの写真をたくさん送ってくれたという写真家、浅井美紀さんの『幸せのしずく World of Water Drops』は、物語に登場する、しずくのなかの世界を追体験できる写真集です。
数字の中に色や感情、動きを感じる共感覚の持ち主の著者による手記『ぼくには数字が風景に見える』
展示しているパネルの数式は、森田さんが抜き書きしたラッセルとホワイトヘッドによる「プリンキピア マテマティカ」の一部です。
1+1=2という誰でもわかる計算式がどういうことかということを定義した部分です。
数学と聞くと難しい学問だと思ってしまいがちですが、森田さんのいう数学はもっと身体的で、ひとつのしずくのなかに世界がうつりこむように、1という数字のなかに世界があって、それが動き続けていくのを眺めるような、そんなふしぎな体験です。
数学って苦手 と思っているお父さんお母さんにも一緒に読んでほしい絵本です。
脇阪さんが描いた絵を見ていると、テキスタイルをデザインすることと、数学をすることはどこか似ているような気がします。
日々の暮らしのなかに数学がまぎれこんでいるのをみつけてみるのも楽しそうです。
(濱田)
バンビオのお店便り 8月第1週(2017年7月ランキング)
1 荒神(宮部みゆき/新潮文庫)
2 激流のサバイバル(スウィートファクトリ―・韓賢東 /朝日出版社)
3 豆の上で眠る(湊かなえ/新潮文庫)
4 夢三夜(佐伯泰英/文春文庫)
5 君の膵臓を食べたい(住野よる/双葉文庫)
6 小学館の図鑑NEO 危険生物(塩見一雄/小学館)
7 かいけつゾロリのかいていたんけん(原ゆたか/ポプラ社)
8 空にむかってともだち宣言(茂木ちあき・ゆーちみえこ/国土社)
9 パンダ銭湯(tupera tupera/絵本館)
10 鹿の王 1(上橋菜穂子/角川文庫)
(集計期間 2017/7/1〜7/31)
2017年7月のランキングは以上のような結果となりました。
1位は『荒神』。
宮部みゆきさんの『荒神』が文庫になり、1位を獲得しました。舞台は江戸・元禄時代の陸奥の国(東北)の、その南方に位置する架空の二藩。隣り合う二藩の反目、お家騒動、奇異な風土病など様々な事情の交錯するこの土地に「化け物」が現れます。太平の世にあっても常に争いの火種を抱える人びと。その人間が生み出した「悪」に対し、いかに立ち向かうのか。著者渾身の冒険群像活劇です。
2位は『激流のサバイバル』。
小学生に大人気のサバイバルシリーズの新刊が2位に。今回のテーマは「激流」。激流を下るサバイバルをしながら、地形に大きな変化をもたらす浸食作用や岩石に関する科学知識のほか、夏になると増える水の事故への対処方法などを身につけられる1冊となっています。初回限定版には「ふしぎ!トリックペン3本セット」と「ジオとピピのラバーストラップ」の2大特典付きです。
7位は『かいけつゾロリのかいていたんけん』。
夏休みということでこちらも小学生に大人気の「ゾロリ」の新刊がランクインしました。いたずらの王者をめざすゾロリとイシシ・ノシシは、海の底へ出発!竜宮城を目指します。しかし、深い海の底には、ダイオウイカやシンカイザメなどへんてこなが生き物ばかり。ゾロリたちは無事に帰ってこられるのでしょうか?「かいけつゾロリ」シリーズは今年でなんと30周年!30周年記念として初回限定版にはゾロリのフィギュアが付いています。また、京都高島屋では現在原画展を開催中で、さらに冬には映画も公開予定です。30周年のゾロリワールド、存分にお楽しみください。
8位は『空にむかってともだち宣言』。
今年の「青少年読書感想文全国コンクール」課題図書から、こちらの本がランクインしました。ミャンマーからやってきた転校生。あいりはすぐにうちとけてなかよくなりますが、給食のときにちょっとした事件が起きて…。それをきっかけに、クラスみんなで「アジアのご近所さん」ミャンマーのことや、日本にくらす難民についても学び始めます。こちらは小学校中学年の課題図書のひとつ。夏休みに入り課題図書を手にされるお客様が増えてきました。人気の作品は早々に品切れになることも。お求めの方はぜひお早めにどうぞ。
10位は『鹿の王 1』。
2015年本屋大賞受賞作の『鹿の王』が文庫に。6月と7月全4巻で連続刊行されました。たったふたりだけ生き残った父と子が、未曾有の危機に立ち向かいます。感染から生き残った父子と、命を救うため奔走する医師。過酷な運命に立ち向かう人々の絆を描く、綿密な医療サスペンスにして壮大な冒険物語です。
以上、7月のランキングでした。
夏休み、旅行、帰省など楽しいことがたくさんありそうな夏真っ盛りの8月。どんな作品がランクインしているでしょうか。次回もどうぞお楽しみに。
(津村)